2018 Fiscal Year Annual Research Report
Treatment for spinal cord ischemia by HGF
Project/Area Number |
16K10667
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
吉武 明弘 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (70327550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩波 明生 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40327557)
志水 秀行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50226247)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 虚血性脊髄損傷 / 胸腹部大動脈瘤 |
Outline of Annual Research Achievements |
胸部大動脈瘤および胸腹部大動脈瘤手術は心血管系手術の中でも最も困難な領域である。 この領域の手術において、死亡率とともに特に発生頻度が高く深刻な合併症の1つに脊髄虚血障害がある。周術期における脊髄障害(いわゆる対麻痺)の発生頻度は、体外循環の使用、脳脊髄液ドレナージ法の使用、Naloxoneなど各種薬剤の使用、MD-CTやMRIなど画像診断の進歩により改善されているものの、現在なお脊髄障害の発生頻度は5%から10%と高率であり、完全な予防策がないのが現状である。また、一度対麻痺を発症した場合にはCSFの挿入や高血圧管理などが重要であるが、完全に治療することはできていないのが現状である。 以前より、HGFは肝臓、腎臓や心臓などの臓器で障害が起こった際の内因性修復因子として知られており、HGFが重要な役割を担っていたことは知られていたが、神経細胞に対する効果は不明であった。研究分担者の慶応大学整形外科所属の岩波らにより、外傷性脊髄損傷に対するHGFの、ニューロンとオリゴデンドロサイトの遅発性細胞死である二次損傷を最小限に食い止める役割を担っていることが証明された。そして臨床において2014年6月より脊髄損傷急性期患者に対し、HGFを脊髄腔内投与した時の安全性および有効性を確認するPhase I/II試験が当院を含めた二施設で開始された。 本研究では、ラット虚血脊髄障害モデルを用いて虚血脊髄におけるHGFの推移を測定し、治療への応用性の検討を行なった。 虚血性脊髄障害においてHGFの関与が認められ、HGF投与による治療効果、予防効果の可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)