2016 Fiscal Year Research-status Report
B型胸腺腫を合併する重症筋無力症(MG)におけるMG発症機序の解明
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16K10684
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
近藤 和也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (10263815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝沢 宏光 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 准教授 (90332816)
梶浦 耕一郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (60596253)
松井 尚子 徳島大学, 病院, 特任講師 (10547954)
中川 英刀 国立研究開発法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, チームリーダー (50361621)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 重症筋無力症 / 胸腺腫 / 次世代シークエンサー / 胸腺上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
切除材料(凍結標本)胸腺癌7例、重症筋無力症(MG)非合併胸腺腫7例(B2:5例, B3:1例, AB:1例)、MG合併胸腺腫8例(B2:4例, B3:3例, B1:1例)の腫瘍部と正常部(胸腺組織)からDNAとRNAを抽出した。DNAの断片化後にNGSアダプターの付加を行った。全ゲノム上でのタンパク質をコードする全エクソン(37~51Mb)を標的にしてhybridizationでのcaptureをAgilent 社SureSelectまたはIllumina社NexteraRapid Captureにて行い、エクソンの配列の濃縮を行った。Illumina NGS次世代シークエンサーHiSeq2500を用いて、腫瘍や正常部胸腺DNAについてはx100以上、血液に関してはx70のdepth (深度)を目標にシークエンスを行った。産出された大量のデータは、東大医科研のスーパーコンピューターシステム上にて、理研にて構築されたアルゴリズムによってシークエンスデータ解析を迅速に行い、全エクソンレベルでの腫瘍の体細胞ポイント変異、コピー数異常を検出した。BRWD3、OGFOD1、PTEN、SETD2、SOD3、VPS13D、WDR64遺伝子のmutationをより悪性である胸腺癌において認めた。正常胸腺組織に対して、EpCAM抗体を使用し、cell sortingを行い、上皮細胞を単離できた。リンパ球の混在するタイプB1胸腺腫にも適応し、上皮細胞のみ次世代シークエンサーで解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胸腺癌7例、MG合併胸腺腫8例、MG非合併胸腺腫7例の腫瘍部と正常部のDNAに対して、Illumina NGS次世代シークエンサーHiSeq2500を用いて、にシークエンスを終了している。計画通りである。現在、東大医科研のスーパーコンピューターシステム上にて、理研にて構築されたアルゴリズムによってシークエンスデータ解析を行っている。胸腺癌 vs 胸腺腫は、結果が出たが、MG合併胸腺腫 vs MG非合併胸腺腫は、現在解析中である。現在、正常胸腺組織でsortingを行い、胸腺上皮を分けることが可能になっている。リンパ球の多いタイプB1は、cell sortingを行い、腫瘍成分を分け、シークエンスを行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
胸腺癌 vs 胸腺腫およびMG合併胸腺腫 vs MG非合併胸腺腫の統計解析で選択された遺伝子に関しては、症例を増やし、validation groupを作成し、RNA-sequencingにてmutationを検討する。EpCAM抗体を使用したcell sortingにて、タイプB1胸腺腫の上皮細胞のみを単離し、次世代シークエンサーを行う。
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Causes of Carryover |
消耗品を購入するとき、残額は少額で購入するものがなかったため、そのままとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額は、試薬購入に使用予定。
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