2017 Fiscal Year Research-status Report
呼吸器悪性腫瘍における循環腫瘍細胞(CTC)検出法の開発
Project/Area Number |
16K10697
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
田中 文啓 産業医科大学, 医学部, 教授 (10283673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 和恵 産業医科大学, 医学部, 助教 (80724806)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 循環腫瘍細胞 / 肺癌 / 中皮腫 / CTC-chip |
Outline of Annual Research Achievements |
血液中を循環する「循環腫瘍細胞(CTC)」は微小転移の指標としてだけでなく早期発見や治療のモニタリングにも有用性が期待される。本研究では原発性肺癌及び悪性胸膜中皮腫などの呼吸器悪性腫瘍における新しい高感度CTC捕捉・検出システムとして、ポリマー製CTC-chipについて検討を行っている。本研究ではこれまで、健常人血液に肺癌や中皮腫細胞を添加したCTCモデルを用いて標的細胞捕捉性能の評価を行い、従来の標準法であるCellSearchで検出できなかったEpCAM陰性の中皮腫細胞についても抗Podoplanin抗体などを用いて全血中から効率よく細胞を分離可能であることを示した。また、CTC-chipに抗体を結合させる場合の条件について最適化を行った。 本年度は、更にCTCモデルとして検討する細胞株の種類を増やし、捕捉性能の検討を進めた。肺癌細胞では主に抗EpCAM抗体を用いて、中皮腫細胞株では主に抗Podoplanin抗体細胞捕捉可能であったが、一部捕捉率が不十分なものがあり、これについてはEpCAM以外の標的について検討した。続いて捕捉した細胞の検出方法について検討を行った。具体的には抗EpCAM抗体及び抗Podoplanin抗体により捕捉された細胞をCTC-chip上で固定し、サイトケラチン、CD45、Hoechstにより、「サイトケラチン陽性(上皮性の細胞)でCD45陰性(白血球でなく)、サイトケラチン陽性領域にHoechestで染色される核を内包する」ものをCTCとして定義し、この定義により肺癌及び中皮腫細胞それぞれで妥当に検出可能であることを基礎的検討により確認した。同様の方法で肺癌・中皮腫患者の血液を用いた検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺癌、中皮腫の「CTCモデル」を用いた捕捉、検出についての基礎検討により、CTC-chipによるCTC捕捉と検出における至適条件が決定した。この条件で臨床検体での検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
肺癌及び悪性胸膜中皮腫患者検体におけるCTC検出を進め、得られた結果と臨床病理学的因子(進行度/病期、病理組織型や分化度等)、予後や治療効果等との相関を解析する。また、分離されたCTCからDNA/RNAを抽出してEGFR遺伝子変異およびALK融合遺伝子の検出を試み、原発部位との比較によりその妥当性を検証する。更にchip上での追加免疫染色により捕捉されたCTCの特徴を明らかにする。
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Causes of Carryover |
必要な消耗品の購入には残額不足であったため。翌年度に繰り越して消耗品費用とする。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Detection of CTCs in thoracic malignant tumors with "universal" CTC-chip.2017
Author(s)
Kazue Yoneda, Taiji Kuwata, Yasuhiro Chikaishi, Kenichi Kobayashi , Sakiko Yura, Hiroki Matsumiya, Masatoshi Kanayama, Akihiro Taira, Yusuke Nabe, Shinji Shinohara, Masaru Takenaka, Soichi Oka, Ayako Hirai, Yuko Tashima, Naoko Imanishi, Koji Kuroda, Fumihiro Tanaka
Organizer
America Association for Cancer Research (AACR) Annual Meeting 2017
Int'l Joint Research