2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒトグリオーマ初代培養株を用いた悪性グリオーマに対する局所治療法の開発
Project/Area Number |
16K10759
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
竹崎 達也 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (50712402)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 悪性グリオーマ / 局所再発 / グリオーマ初代培養株 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる目的は、血液脳関門の存在により薬剤の到達性が限られる悪性グリオーマ局所に対し、抗癌剤などの治療薬剤を効率よく至適濃度に到達させる新しいドラッグデリバリーシステムを開発し、臨床応用を目指すことである。膠芽腫(悪性グリオーマ)は 腫瘍摘出腔周囲からの再発が圧倒的に多く、局所再発を防ぐことが出来れはば治療成績の向上が期待できるため、「膠芽腫患者の手術摘出腔にテモゾロミド混合フィブリン糊製剤を散布すれば、徐放性にテモゾロミドが摘出腔周囲の膠芽腫ニッチおよびグリオーマ幹細胞に作用し、局所コントロール(再発予防)出来る」と仮説をたてた。この仮説を証明するために患者検体を忠実に模倣し膠芽腫ニッチを再現出来る患者検体由来グリオーマ初代培養株「皮下連続継代モデル」を樹立し、移植腫瘍片内にテモゾロミド混合フィブリ ン糊製剤を局所投与したとき腫瘍増大抑制効果を期待できることを本研究で明らかにしたい。 本研究では動物実験にて市販のグリオーマ細胞株では再現出来ない、手術摘出腔周囲の膠芽腫ニッチを標的とした局所治療法の開発を目的としている。そのために浸潤性腫瘍を忠実に再現することの出来る患者検体由来「皮下 連続継代モデル」を用いることが本研究の最大の工夫点と言える。またin vivo 実験において、移植腫瘍内にテモゾロミド混合フィブリン糊を局所注入するため にMDアンダーソンがんセンターにて採用されている「ガイドスクリューシステム」を導入した。現在継代している患者検体由来「皮下連続継代モデル」13株の中 から安定した腫瘍形成能を持ち、さらにMGMT遺伝子プロモーターのメチル化を有するもの、有さないものを各2株ずつ抽出し、申請者の仮定が正しいのか、実験継続が妥当であるかを検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
熊本大地震、臨床研究棟移転などのため研究環境の再構築に時間を要した。 実験動物が震災ストレスのためか、死滅してしまいグリオーマ初代培養株継代がストップした。 臨床業務多忙のため研究活動時間の確保が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoおよびin vitro実験の環境整備を行った。 本研究課題推進のための研究活動時間を確保し、成果を期待したい。
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Causes of Carryover |
熊本大震災、研究棟の新設などのため研究活動を継続困難な時期があったため計画が大幅に遅れており、事業計画を1年延長して継続する予定である。
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