2016 Fiscal Year Research-status Report
難治性運動異常症の診断と治療前後におけるFDG-PET画像解析の有用性
Project/Area Number |
16K10788
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
牟礼 英生 徳島大学, 病院, 講師 (00624355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 龍兒 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (00214304)
森垣 龍馬 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (70710565)
大北 真哉 徳島大学, 病院, 特任助教 (20748694)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ジストニア / パーキンソン病 / DBS / PET / functional MRI / Diffusion tensor image |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病、ジストニアなどの運動異常性は大脳皮質-基底核回路の異常を基盤に発症するが症候学的診断法以外の客観的な診断指標が確立していない。申請者は陽電子断層撮影(PET)や機能的MRIを用いてパーキンソン病に於ける疾患特異的な代謝パターンを同定し診断や治療効果の客観的判定に応用する報告を行ってきた(Neuroimage 2010, J Neurosci 2011, J Neurosci 2012, など)。ジストニアはパーキンソン病に次いで多い運動異常症であるがその病因・病態は多様であり発症メカニズムも不明な点が多い。当科では神経内科との協力体制の下に全国より広く患者を受け入れ重度ジストニア患者に対して、主に大脳基底核淡蒼球内節をターゲットとした脳深部刺激療法(DBS)を施行している。治療介入前後でFDG-PET, Diffusion Tensor Image (DTI), functional MRI(fMRI)などの機能的脳画像 を撮像することによりDBS介入に伴う脳循環代謝変化、神経回路の変化を捉え定量化し臨床的運動スコアとの関連性を評価する試みを行っている。2016年度は4例の脳深部刺激療法施行ジストニア患者に於いて手術前後でFDG-PET, DTI, fMRIを撮像できた。正常人に比べ、ジストニア患者では運動野の糖代謝が過剰傾向にあることが分かった。またDBSへの反応性が良くない患者に於いては術前FDG-PETにて前運動野の過剰糖代謝が認められDBS治療予後の予測因子となる可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DBS適応となるジストニア患者は年間5-6例で少ないが、その中で4例の患者について機能脳画像撮影を行うことができた。画像解析所見よりDBS治療効果を予測できる可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
統計学的に有意な神経ネットワークパターンを得るには10例程度の画像が必要と考えており、残り6例のサンプルを引き続き集める必要がある。 FDG-PETのみならずDTI, fMRIなどのMRI画像も撮影しマルチモダリティーに運動異常症の脳機能変化を捉えていく予定である。最近DBS刺激装置はMRI対応のものが販売されるようになりDBS術後に於いても1.5TMRI撮影が可能となったため、術前後のMRI変化を捉えることが可能と考える。MRIはPETに比して間便であり、体内被曝もないため有用であり、PET画像の所見と対象比較することでより確実な結果が得られると考えている。
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Causes of Carryover |
研究が継続中で物品の購入が毎月発生するために次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬等の物品費として次年度の研究し使用する。
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Research Products
(9 results)