2017 Fiscal Year Research-status Report
難治性運動異常症の診断と治療前後におけるFDG-PET画像解析の有用性
Project/Area Number |
16K10788
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
牟礼 英生 徳島大学, 病院, 講師 (00624355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 龍兒 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (00214304)
森垣 龍馬 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (70710565)
大北 真哉 徳島大学, 病院, 特任助教 (20748694) [Withdrawn]
岡崎 敏之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (20804389)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ジストニア / パーキンソン病 / 難治性運動異常症 / 脳深部刺激療法 / FDG-PET / DTI / functional MRI / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病、ジストニアなどの難治性運動異常症は大脳皮質-基底核回路路の異常を基盤に発症する疾病であり国の指定難病ともなっている。しかしながらこれらの疾患を客観的に診断するための確立されたバイオマーカーは無く、特にジストニアは多因子疾患であり客観的診断が困難である。近年、これらの疾患に対して大脳基底核の一部である視床下核や淡蒼球内節に電極を置き電気刺激を行う脳深部刺激療法(Deep brain stimulation: DBS)の有用性が証明されている。しかしながら、症候学的診断法以外の客観的な診断指標が存在しないことから、DBSの手術適応を判断する指標が明確でなく、術後の効果判定や、効果予測が難しいことが問題点として挙げられる。本研究ではこれらの問題を解決するため、FDG-PET画像解析による脳代謝パターンから、運動異常症の病態生理を解明すると共に、運動異常症に対するDBSの治療効果を予測する因子を同定することを目的としている。 平成29年度は12名の難治性運動異常症患者(パーキンソン病:7名、ジストニア:5名)に対して脳深部刺激療法を施行し、手術前後でFDG-PET撮像、MRI撮像(テンソル画像、funtionalMRIなど)、臨床スコア取得(UPDRS, BFMDRS, SDS, MOCIなど)を行い前年度にひき続きデータの蓄積を行った。FDG-PET画像のプレリミナリー解析ではジストニア患者は正常対象に比べて前運動野、一次運動野、一次感覚野の過剰糖代謝があり、過剰代謝が強いほど術後臨床スコアの改善が低く、DBSへの反応性が低い可能性が示された。またPET画像解析と並行してMRI拡散テンソル画像(DTI)画像解析を行うことで、脳白質ネットワーク異常の関連性についても研究している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにFDG-PETおよびMRIなどの機能画像を取得できたジストニアおよびパーキンソン病のDBS症例は各々8例と7例であり、統計的画像解析に必要と思われる10例に到達可能なデータの蓄積状況である。健康対象の画像蓄積は5例であるため目標の10例に向けて最終年度での募集を強化する必要がある。プレリミナリ―な画像解析としてジストニア患者に於ける前頭葉、頭頂葉の過剰脳代謝傾向が得られており対象数を増加して解析を行うことで統計学的に有意なデータが得られると予想している。同時にMRI拡散テンソル画像、functional MRI画像の蓄積も行っている。ジストニアはパーキンソン病に比してさらに頻度の低い疾患(1/5000~20000)であり年間DBS手術数は4-5例程度であり、さらに年度によって手術数に差があるため最終年度で予想通りの症例蓄積にならない可能性も考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
各々10人以上の疾患別の運動異常症患者および正常対象群のFDG PET撮像を行う。描出された神経ネットワークパターンは個々の運動異常症患者において、パターン発現度の定量化が可能であり、パターンスコアと臨床的スコアとの相関関係を解析し、神経ネットワークパターンの臨床的妥当性を評価する。 PET 画像の解析は、まず① PET画像処理 (realignment, normalize, smoothing)を行い、次いで② OrTソフトウェアを用いた多変量的画像解析により、処理した画像をパターン化する。最終的に ③運動異常症関連ネットワークパターンの有意性の評価を行う。
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Causes of Carryover |
画像撮像費用が校費により賄われたため予定使用額を下回り次年度使用額が生じた。 次年度は健常対象への謝金や学会参加に伴う旅費、論文掲載料などの費用が増加すると予想され繰り越し金を充てる予定である。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Phenotype variability and allelic heterogeneity in KMT2B-Associated disease.2018
Author(s)
Kawarai T, Miyamoto R, Nakagawa E, Koichihara R, Sakamoto T, Mure H, Morigaki R, Koizumi H, Oki R, Montecchiani C, Caltagirone C, Orlacchio A, Hattori A, Mashimo H, Izumi Y, Mezaki T, Kumada S, Taniguchi M, Yokochi F, Saitoh S, Goto S, Kaji R
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Journal Title
Parkinsonism Relat Disord.
Volume: 18
Pages: 30137-30138
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] ntra-arterial high signals on arterial spin labeling perfusion images predict the occluded internal carotid artery segment.2017
Author(s)
Sogabe S1, Satomi J2, Tada Y1, Kanematsu Y1, Kuwayama K1, Yagi K1, Yoshioka S1, Mizobuchi Y1, Mure H1, Yamaguchi I1, Abe T3, Yamamoto N4, Kitazato KT1, Kaji R4, Harada M3, Nagahiro S1.
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Journal Title
Neuroradiology
Volume: 6
Pages: 587-595
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Blocking COX-2 induces apoptosis and inhibits cell proliferation via the Akt/survivin- and Akt/ID3 pathway in low-grade-glioma.2017
Author(s)
Sato A, Mizobuchi Y, Nakajima K, Shono K, Fujihara T, Kageji T, Kitazato K, Matsuzaki K, Mure H, Kuwayama K, Sumi A, Saya H, Sampetrean O, Nagahirao S.
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Journal Title
J Neurooncol.
Volume: 2
Pages: 231-238
DOI
Peer Reviewed
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