2016 Fiscal Year Research-status Report
腰部脊柱管狭窄症における脊柱管内炎症ネットワークの解明
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16K10790
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山畑 仁志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70589803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 宏文 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (00264416)
大須賀 浩二 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40378013)
有田 和徳 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90212646)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腰部脊柱管狭窄症 / 黄色靭帯 / 肥厚 / JAK-STAT系 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
腰部脊柱管狭窄症患者の手術症例より肥厚した黄色靭帯を採取し,免疫組織学的検討を行った.Western blotting法にてJAK,STAT3,p-STAT3の存在を調べ,それぞれの蛋白が発現していることを明らかにした.コントロールとしてactinも調べ,調べた検体でhほぼ同様にJAK,STAT3,p-STAT3蛋白の発現を認めた.肥厚した黄色靱帯組織内で,STAT3がリン酸化STAT3に活性化されていることがわかった.続いて,免疫染色で組織内のJAK/STAT系の発現について検討した.免疫染色では,JAK/STAT系の下流にあるp-STAT3の発現を検討した. p-STAT3は主に肥厚した組織の血管内皮細胞,fibroblastに発現していた.黄色靱帯は主に硬膜側と背側の2層の構造をしているが,p-STAT3は硬膜側よりも背側により多く発現していた.これは過去の文献でも肥厚に関わる蛋白は背側での発現が多いことと同じような傾向であると考えられた.対象として,腰椎椎間板ヘルニアでの摘出された黄色靱帯の組織染色も行った.MRIでは黄色靱帯の厚さは腰部脊柱管狭窄症症例と比べ明らかに薄い靱帯であった.それらのヘルニア群でのp-STAT3の発現率と,腰部脊柱管狭窄症群での発現率を比較すると,明らかに腰部脊柱管狭窄症群で高い発現率を認めた.症例のMRI画像で黄色靱帯の厚みを計測し,p-STAT3の発現率との比較を行うと,厚みと発現率の間には中等度の相関があった.以上から,腰部脊柱管狭窄症における黄色靱帯でのp-STAT3の発現は,その肥厚に関係しているのではないかと考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回が初年度である.黄色靭帯肥厚による腰部脊柱管狭窄症の検体を免疫組織学的に検討を行い,肥厚症例でJAK-STAT系のタンパクであるリン酸化STAT3の発現が増えていることが確認された.
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Strategy for Future Research Activity |
靭帯組織から靭帯のfibroblastの培養を行い,培養細胞を用いてSTATの発現や,負荷を与えた場合のJak-STAT系の変化について検討したい.
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Research Products
(1 results)