2016 Fiscal Year Research-status Report
Wntシグナル活性化因子RSPO2に焦点をあてた後縦靭帯骨化症の病態解明
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16K10810
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松林 嘉孝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50747962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑田 博隆 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30345219) [Withdrawn]
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30456107)
谷口 優樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80722165)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 後縦靭帯骨化症 / RSPO2 / Wntシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では本邦で行われた頚椎後縦靭帯骨化症(頚椎OPLL)のGWASで同定された疾患修飾候補遺伝子のひとつであるRSPO2のOPLL発症およびOPLL伸展における機能解明を目指して開始した。ますヒトサンプルおよびマウスのティッシュパネルにおいてRSPO2の発現解析を行った結果、RSPO2がヒト後縦靭帯に発現していること、またマウスの傍脊椎靭帯において後縦靭帯に特に強く発現していることを確認した。次に我々はRSPO2は骨形成に重要なシグナルであるWntシグナルの活性化因子であるためRSPO2のgain-of-functionがOPLL発症に関与しているとの仮説をたて、その仮説をもとにRSPO2のCre誘導性トランスジェニックマウスを作成した。マウスはすでに生まれてお、Cre作動化にRSPO2が過剰発現することも確認できており、今後本マウスを用いて解析を行う予定である。また、in vitroでは傍脊椎靭帯のひとつである黄色靭帯を術中検体から採取し、細胞を分離培養することに成功し、さらにRSPO2を過剰発現することで骨形成関連遺伝子が有意に上昇することを確認している。また同じく手術で得られたヒト黄色靭帯骨化症サンプルにおいて骨化前線部の靭帯細胞でコントロールと比較してRSPO2の発現が有意に上昇していることも確認できており、これまでの検討からはRSPO2のgain-of-functionがOPLL発症に関与しているという仮説を裏付けるような結果が得られている。現在、引き続き解析を行っている所である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のごとく仮説に合致した結果が得られてきており、マウスの作出・交配も順調にすすんでいることから研究は順調に推移・進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究計画書に記載したとおりに研究を勧めていく予定である。想定よりもはやくマウスの作出に成功しているため、引き続き研究を計画通りにすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
おおむね研究が順調にすすんだため必要以上の支出がなかった
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
RSPO2のCre誘導性トランスジェニックマウスを作成して確認できたCre作動化にRSPO2が過剰発現することを本マウスを用いて解析を行うための諸費用など
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Research Products
(1 results)