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2017 Fiscal Year Research-status Report

週齢に応じたラット軟骨部分損傷の自然経過の差異を介入効果の指標とする検討

Research Project

Project/Area Number 16K10885
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

佐粧 孝久  千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20312952)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords部分軟骨損傷 / 介入効果 / 軟骨修復
Outline of Annual Research Achievements

ラットを用いた先行研究にて、軟骨部分損傷Partial-thickness cartilage defects (PTCDs)を膝関節に作成した場合、幼弱ラットでは自然治癒するが、成熟ラットでは自然治癒が生じないということを明らかにした。本研究ではこれを応用し、より詳細に週齢の影響が持つ自然治癒力を経時的に組織学的に検討した。次いで、この自然経過を指標とすることにより、介入効果の大きさを比較する系とすることにした。さらには介入効果の大きなものについてその治癒機序を解明していこうとするものである。これまでに検討した項目は
1)研究計画に従い、3, 6, 10, 14週齢の雄性Sprague Dawley (SD)ラットの膝関節に対し、100μの深さでPTCDを大腿骨内側顆部軟骨に線状に作成し、先行研究にある組織評価法を用いた評価を施行した。その結果幼弱であればあるほど自然治癒能力の高いことを組織学的スコアで明示できた。
2)次いでこれまでに軟骨の全層損傷に対する有効性がわかっている介入法を用いて、どの程度の治癒促進効果があるかを検討した。3種類の介入(①Mesenchymal stem cells(MSCs)の投与、②Platelet rich plasma (PRP)の投与、③MSCs+PRPの投与)を施行し、①が最も効果が高いことがわかった。
3)最も有効性の高かったMSCsにつき、関節内でどのように分布するかをラベルしたMSCsの関節内投与にて検討した。その結果多くが滑膜に取り込まれることが明らかとなった。一方、PTCDの近傍に集積することはなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

研究計画上、平成28年度までに予定していたPTCDs自然治癒過程の指標化については、予定通りに終了した。これに加え、3種類の介入の効果の結果を合わせ論文として投稿した(英文誌にてrevisionの状態となっている)。ただし、研究計画では5種類の週齢のラットを用いて、5つのタイムポイントでの検討を予定していたが、経費の問題から4種類の週齢のラットを用いて4つのタイムポイントでの検討となった。介入についても計画では5種類を予定したが3種に留まり、いずれも予定より規模を縮小となったが、得られた結果は以降の検討に応用していくためには十分なデータであると判断できた。
昨年度の推進方策に記した有効性の高かったMSCsの関節内投与の時期についての検討を施行し、PTCDsの作成と同時に投与することが最も効果の高かったことと、関節内に投与したMSCsが損傷部ではなく滑膜全体に取り込まれることを合わせ論文として投稿した(英文誌にてrevisionの状態となっている)。
もう一点昨年度の推進方策としたMSCs投与後の滑膜の遺伝子発現について投与群と非投与群での比較を投与後48時間で行ったが、有用なデータを得るに至らず、次年度以降の検討課題とした。

Strategy for Future Research Activity

以下の2つの研究を進める予定である。
1)陳旧例に対する介入法の効果の検討
実施した介入のうち、効果の高かったMSCsの投与時期については損傷と同時に投与することが最も有効性が高かった。このことは外傷が加わった時点で同時にMSCsを投与する必要があるということを示唆し、臨床応用を考慮した場合に実施が非常に困難であるということを意味する。新たな課題が見つかったということでもあるが、これを解決するためにPTCD作成後、一定時間を経過したものに対する有用な介入法の検討をすることとした。そのために、PTCD作成後2週間経過した後に同部位に対してより大きめのPTCDsを作成し、その際にMSCsを投与することの効果を検証することとした。これは臨床的には陳旧性の軟骨損傷に対してデブリードマンを施行と同時にMSCsを投与することに相当する。
2)遺伝子発現の検討
MSCsを投与した場合に組織学的な変化として、滑膜組織の肥厚が見られることがわかっている。また、投与したMSCsも滑膜に取り込まれることからMSCsの投与群と非投与群について滑膜組織の遺伝子発現の際を再度マイクロアレーにて検討することとした。48時間では差異が見られなかったことから、より早期での検討を行う予定とした。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Comparative Analysis of Gene Expression between Cartilage and Menisci in Early-Phase Osteoarthritis of the Knee?An Animal Model Study2017

    • Author(s)
      Endo Jun、Akagi Ryuichiro、Muramatsu Yuta、Watanabe Atsuya、Akatsu Yorikazu、Fukawa Taisuke、Tahara Masamichi、Yamaguchi Satoshi、Sasho Takahisa
    • Journal Title

      Journal of knee surgery

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1055/s-0037-1606549

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Difference in cartilage restoration by the time of intra-articular injection of synovial mesenchymal stem cells in partial thickness cartilage defect model of rats2018

    • Author(s)
      Enomoto TakahiroRyuichiro Akagi, Satoshi Yamaguchi, Yusuke Sato, Ryosuke Nakagawa, Seiji Kimura, Yuya Ogawa, Aya Sadamasu, Takahisa Sasho
    • Organizer
      Ortopaedic Research Society
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] ラット部分軟骨損傷に対する間葉系幹細胞関節内投与の遅れが軟骨修復に与える影響2018

    • Author(s)
      榎本隆宏、赤木龍一郎、山口智志、佐藤祐介、中川量介、木村青児、小川裕也、貞升彩、大鳥精司、佐粧孝久
    • Organizer
      第31回日本軟骨代謝学会
  • [Presentation] ラット部分軟骨損傷に対する間葉系幹細胞投与時期の違いが軟骨修復に与える影響2017

    • Author(s)
      榎本隆宏、赤木龍一郎、佐藤祐介、中川量介、木村青児、小川裕也、佐粧孝久
    • Organizer
      日本整形外科基礎学術集会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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