2018 Fiscal Year Research-status Report
頭部外傷に対するミノサイクリンの脳への直接投与の有効性についての検討
Project/Area Number |
16K10971
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
恵川 淳二 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00453168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (50295789)
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60275328)
瓦口 至孝 奈良県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90433333)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 頭部外傷 / ミノサイクリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、テトラサイクリン系抗生物質であるミノサイクリンの脳への直接投与を頭部外傷モデルのマウスに行うことで、頭部外傷後の運動機能がコントロール群(生理食塩水)に比べて改善するかを主な目的として研究を行なっている。評価の方法としては、行動実験、組織学的評価(免疫染色、HE染色)、生化学的評価(ウェスタンブロット)を用いている。現在、動物の倫理的扱いに十分留意して し、実験を行なっている。運動機能の評価として、Inverted Grid Testを用いた行動実験を行なっている。Inverted Grid Testの 評価方法としては、体重(g)×落下(sec)までの時間を計算し、頭部外傷を与える前に測定したコントロールの体重(g)×落下(sec)からの変化率で評価を行なっている。変化率が少ない方が運動機能が保たれていると評価をしている。個体による差が非常に大きいため、現段階では統計学的有意差が出るには至っていないが、ミノサイクリン投与群で、体重(g)×落下(sec)の変化率は少ない傾向にある。組織学的評価として、頭部外傷48時間後の外傷部のミクログリアやアストロサイトの活性の評価を免疫染色を用いて行い、また頭部外傷2ヶ月後の脳の欠損体積についてHE染色を用いて検討を行なっている。外傷後48時間におけるミクログリアやアストロサイトの活性については大きな変化を認めていない。外傷後2ヶ月の欠損部体積については、ミノサイクリ ン投与群で小さい傾向にある。今後もう少しサンプル数を増やして確認を行う。生化学的評価は、組織学的評価はこれから行なっていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外傷を与える機械が古く、その修理やセットアップや正常作動の検証に時間がかかったため、やや本研究開始が遅れたのが原因している。行動実験が当初 予定していたよりも時間がかかることがあることも影響している。生化学実験も実験器具の不具合があり、現在調整が必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
行動実験のサンプル数を増やし(現在33匹の実験を行なった)、統計学的な差があるかを見極める。HE染色による欠損体積の検討はほぼ終了しているが、もう少しサンプルを増やし確認を行いたい。生化学的な実験を残りの期間で行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に実験のセットアップに時間を要したために、繰越金が出ている。本年度は、多くの薬品などを使うために繰り越し金が必要となる。
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