2017 Fiscal Year Research-status Report
CD8陽性T細胞におけるIL-18によるオートファジーと腫瘍免疫に関する研究
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16K11220
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
都築 建三 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50441308)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 免疫学 / IL-18 / 抗腫瘍活性 / 内視鏡下副鼻腔手術 / 鼻副鼻腔内反性乳頭腫 / 好酸球性副鼻腔炎 / 鼻症状 / quality of life |
Outline of Annual Research Achievements |
基礎研究として、大学院生とともにIL-18遺伝子欠損マウス脾臓のNK細胞を用いて実験した。NK細胞はIL-18Rα・βを発現しており、IL-18単独による直接シグナル導入、NF-kBリン酸化による蛋白合成亢進、IL-15 とIL-18によるNK細胞増殖促進、IL-12による増殖抑制などを明らかにした。NK細胞増殖とIL-12による増殖抑制に伴う表面抗原(B220など)の著明な変化、産生されるサイトカインの種類変化などを観察した。IL-15とIL-18にて共刺激を行ったNK細胞は、高い抗腫瘍活性を示す一方、活性抑制する表面抗原(PD-1など)をすでに発現しており、IL-12添加によるIFN-γ多量産生後にIL-10産生、抗腫瘍活性の低下、2B4, Tim3, LAG3の増強などを観察した。NK細胞の増殖・表面抗原・機能変化は、抗原刺激なく誘導されることがわかり、NK-based cancer immunotherapyによるがん免疫治療の進歩にも示唆を与えるものとして、英文論文の作成に取り組んでいる。 臨床研究として、鼻科手術症例の臨床背景、術前、術中、術後所見のスコア化を試みた。本年度は、とくに副鼻腔・嗅裂部の術中所見に着目して、そのスコア化を試みた(Tsuzuki K, et al., J Laryngol Otol. 2018; Okazaki K, Tsuzuki K, et al., Eur Arch Otorhinolaryngol. 2018)。術中所見から術後予後因子を統計学的に解析し、篩骨洞および嗅裂天蓋の炎症所見が大きく影響を及ぼしていることが分かった。現在、鼻症状と生活の質(Quality of life)が鼻副鼻腔における所見との相関性について着目し、英文論文の作成に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年度となる2018年度は、成果のまとめ、英文論文作成と発表を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究において、IL-15およびIL-18にて刺激したNK細胞にIL-12を加えることで、抗腫瘍活性は低いが、IFN-γやIL-10を多く産生する細胞へと変化するが、前者のNK細胞はすでに活性を抑制するような表面抗原をすでに発現していることがわかった。現在、論文執筆と論文に掲載する図表を作成中である。 臨床研究において、鼻副鼻腔疾患を対象として、術前、術中、術後の鼻副鼻腔領域の所見については、我々が提唱したスコアリングの研究を継続する。鼻症状および生活の質(quality of life, QOL)を簡易に評価できる鼻症状アンケート(nasal symptom questionnaire, NSQ)などの作成も試みて、患者自身の満足度を調査していく。このNSQと鼻副鼻腔の状態との関連性を統計学的に検討して、その成果を英文論文にして発表する。
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Causes of Carryover |
実験用品、手術器具の使用を適切にできた。実験用品などが予定よりも安価であったため、次年度使用額が生じた。次年度において、研究に必要となる消耗品の購入費、データをまとめるためのコンピューター機器の購入費、学会発表費などに使用する予定である。
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Research Products
(20 results)