2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism for the formation and breakup of tear film based on lipid layer dynamics and its clinical application
Project/Area Number |
16K11269
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
横井 則彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60191491)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ドライアイ / 結膜弛緩症 / 涙液層破壊パターン / ソフトコンタクトレンズ / 水濡れ性低下 / 涙液減少 / 蒸発亢進 / 接触角 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドライアイと健常眼の大きな違いは、角膜上の涙液層の破壊がドライアイにおいて生じやすいことである。これまでの期間の臨床研究において、共同研究者との密な議論を経て、ドライアイの角膜表面の涙液層の破壊パターン(BUP)に5つの基本パターン(Area、Line、Spot、Dimple、Random break)およびLine、Dimple、Random breakについては、その破壊が開瞼維持で急速に拡大するパターン(Rapid expansion)が存在すること、および、Spot breakと Dimple break が、角膜表面への涙液油層の汚染によって生じうることが明らかになってきた。一方、ソフトコンタクトレンズ(SCL)表面の涙液層のBUP分類に関する臨床研究では、角膜上で見られる5つの基本パターンに加えて新たなBUP(thin aqueous layer break)が存在すること、および、SCL表面の涙液層のBUPが、SCL表面の水濡れ性に大きく依存して生じる可能性を示した。また、SCL表面の水濡れ性に関する共同研究者との基礎研究で、SCLの装用時間が長くなると、気泡法や液滴法で評価しうる水の接触角が大きくなる(すなわち、SCL表面の水濡れ性が悪くなる)可能性があること、および、その水濡れ性にSCLの素材の違いが大きく影響することを明らかにした。さらに、病態に基づくBUP分類の応用として、結膜弛緩症に対する手術の前・後で、涙液層の破壊パターンが変化すること、および、その変化に、結膜弛緩症に伴う異所性涙液メニスカスが影響している可能性を明らかにした。開発中のビデオトポグラファーを用いた臨床研究では、涙液層のBUPのそれぞれが、プラチドリングの経時的な乱れの定量評価によってなしえる可能性がでてきた。
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