2017 Fiscal Year Research-status Report
外的ストレスによるiPS由来網膜色素上皮細胞障害の機構解明
Project/Area Number |
16K11287
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木村 修平 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (90628710)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 淑代 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00253229)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | iPSRPE由来網膜色素上皮細胞 / 外的ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜剥離等の網膜疾患は、重篤な視機能障害を引き起こし難治である。視機能障害の原因として、種々のストレスによる網膜色素上皮細胞(RPE)の障害が重要であることが明らかにされている。しかし、RPEの障害のメカニズムについては不明な点が多く、現在のところRPEの障害に対する治療法は存在しない。申請者はこれまでの臨床経験から「網膜疾患に対しては、既存の治療法に加えて、RPEの障害を未然に防ぎ、RPEを保護する治療法の開発が必要ではないか」との着想に至った。そこで本研究では、人工多能性幹細胞由来RPE (iPS-RPE)を用いて、網膜疾患がRPEの機能に及ぼす影響を検討する。さらに、RPEの障害に関与する因子を分子生物学的に明らかにし、網膜疾患に対する新たな治療法開発の基盤となる研究を行う。平成29年度は、機械的、薬剤によるストレス負荷がiPS-RPEの細胞機能に与える影響の検討、iPS-RPEの細胞障害の分子メカニズムの解明を行った。特に興味深かった結果としては、薬剤毒性として加えた組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)の濃度、暴露時間に依存するRPE(primary RPE、ARPE-19、iPS-RPE)そしてMIO-M1の傷害を認めたことである。さらにtPAに含まれているアルギニンでも同様に濃度、暴露時間に依存するRPE、MIO-M1の障害を認めたため、tPAの網膜障害の原因の主な原因がアルギニンであることが考えられた。現在、細胞傷害が起きている時にアルギニンから発生する一酸化窒素を測定し、検討を深めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究通りに研究が行われているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに研究を行う。
|
Causes of Carryover |
理由:平成29年度の研究が順調に進み、余分の経費がかからなかったため。 使用計画:平成30年度の消耗品に使用し、さらなる研究を発展させる。
|