2019 Fiscal Year Annual Research Report
Kampo medicines rikkunshito and hangeshashinto prevent cisplatin-induced intestinal mucosal injury in rats
Project/Area Number |
16K11357
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
佐々木 隆士 近畿大学, 医学部, 准教授 (20388573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大植 孝治 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50314315)
田中 夏美 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20456958) [Withdrawn]
銭谷 昌弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40643531)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 漢方 / 六君子湯 / 半夏瀉心湯 / シスプラチン / 腸管粘膜傷害 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、代表的な消化管漢方剤である六君子湯(RKT)と半夏瀉心湯(HST)に着目し、ラットを用いてシスプラチンによる腸管粘膜傷害に対する予防効果を検討した。幼若ラットを①シャム群、②シスプラチン群(7mg/kg腹腔内投与、漢方非投与)、③RKT(1000 mg/kg)群、④RKT(2000 mg/kg)群、⑤HST(500 mg/kg)群、⑥HST(1000 mg/kg)群(漢方群はいずれもシスプラチン投与)の6群に分類した。いずれの漢方もシスプラチン投与の3日前からゾンデを用いて6日間胃内投与を行った。2018年度までの研究実績として、シスプラチン投与による下痢と回腸微絨毛の萎縮は、漢方を投与した全ての漢方群で有意に改善する結果が得られた。また腸粘膜傷害スコアは、空腸においてRKT(2000 mg/kg)群、HST(500 mg/kg)群、HST(1000 mg/kg)群で、回腸においてHST(500 mg/kg)群、HST(1000 mg/kg)群でシスプラチン群よりも有意に低値であった。陰窩細胞の増殖能は、空腸においてRKT(2000 mg/kg)群、HST(500 mg/kg)群で、回腸においては全ての漢方群でシスプラチン群と比較し有意に上昇していた。 2019年度にはアポトーシスの程度(ss-DNA陽性細胞数)を検討した。その結果、陰窩細胞におけるアポトーシスの程度は、シスプラチン群と比較してRKT群では有意差は認めなかったが、HST群で有意に抑制されていた。 以上より、RKTやHSTを化学療法中あるいは開始前から投与することにより小腸粘膜傷害の予防効果が期待され、小児がん患児のQOL向上に寄与する可能性が示唆された。 上記内容を国内学会、国際学会で発表し、また論文化してJournal of Pediatric Surgeryに投稿中である。
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Research Products
(3 results)