2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K11412
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
宮田 圭 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80438051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長峯 隆 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10231490)
三國 信啓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60314217)
臼井 桂子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60402872)
成松 英智 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70295343)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳波解析 / 蘇生後脳症 |
Outline of Annual Research Achievements |
<平成28年度の先行研究> 2011-2015年までの心原性心停止蘇生後昏睡(PCAS) 51例の後向き研究の結果、軽度低体温療法(BHT)終了後の発症72時間以降に認められた”てんかん型発射”の約4割に意識回復を認め、意識回復群はBackground activityの出現と突発波 (regional epileptiform discharges, polyspikes)に特徴があったこと、そして不良群はBurst suppression pattern, Generalized periodic discharges (GPDs) without BGA: 背景活動のない全般性周期性発射,であること、を明らかにした。原性心停止と確定診断されたPCASに対し体温管理集中治療が行われた蘇生後昏睡に対し、発症72時間以内にcEEGモニタリングを施行した。症例の退院時転帰を以下の2群;転帰良好 (good outcome, GO) をCPC 1-3, 転帰不良 (poor outcome, PO)をCPC 4-5とし2群間の患者背景の比較を行った。さらに脳波所見と転帰との関連を検討した。内因性OHCA 362例のうち心原性と確定診断されたPCAS症例は56例であった。うち36例に低体温療法(BHT)が導入された。cEEGはBHTの30例平温管理療法の1例を合わせた計31例に施行された。Good outcome:GO 10例 (32%) ,死亡は32%であった。 単変量解析ではGO群は初回心電図波形:VF (p=0.03), 病院到着前の心拍再開ROSC-OA (p=0.02)が有意に多く、発症目撃あり(p=0.08)が多い傾向があった。推定心停止時間に差はなかった。EEG所見との関連ではnon reactive low-voltage EEG/ ECI (and/or) Burst-suppression pattern, そしてGPDsのすべてはpoor outcome: POであった。一方、(low-voltage) continious slow / intermittent slow generalized においては、循環不全による心臓死の1例を除いてGOであった。rhythmic slow (δ-θ) activity は転帰が分かれた。<まとめ>発症72時間までに約90%のPCAS患者で神経学的予後の予測が可能であることが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
脳波機材の導入が2017年の3月末となった理、実際の前向き研究の開始が2017年の4月にずれ込んため。
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Strategy for Future Research Activity |
症例蓄積を進め脳波モニタリング手法の精度を高める。cEEGはBHTや復温中の鎮静管理下においても循環器チームに対してリアルタイムに大脳皮質の電気的活動と神経学的予後予測を伝えることに寄与する。またintermediate群 (律動性徐波活動)の神経学的予後はICU管理中の脳循環代謝が影響しているかもしれない。特にPCPS/ IABPなどの人工心肺や循環サポートを要する超急性期PCAS患者には脳循環に特化したrSO2/ SjO2やPbtO2/ ICPなどの神経モニタリングが必要と考えられる。症例を積み重ねつつ、今後の臨床研究のクリニカルクエスチョンとして新たな共同研究を立ち上げたい。
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Causes of Carryover |
脳波機材一部に予算を費やしたが予算に端数が生じた。残余分は不足機器を購入するための次年度使用とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
映像機器や記録媒体装置の購入に当てる予定である。
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