2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌顎骨浸潤モデルの確立と、顎骨浸潤評価を目的としたCT検査の開発
Project/Area Number |
16K11505
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高橋 章 徳島大学, 病院, 講師 (30252688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 隆治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (10263865)
宮本 洋二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (20200214)
玉谷 哲也 徳島大学, 病院, 講師 (30274236)
大江 剛 徳島大学, 病院, 助教 (60432762)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 顎骨浸潤 / 画像診断 / X線CT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、顎骨に浸潤した口腔癌の骨内での造影効果を可視化し、より正確な口腔癌による顎骨浸潤を正確に評価できるCT検査法を開発することである。研究計画には1)扁平上皮癌顎骨浸潤の造影CTによる臨床的評価、2)口腔扁平上皮癌の顎骨浸潤動物モデルの確立 を含んでいる。今年度の研究成果の概要は以下の通りである。 1)臨床的に上下顎骨浸潤が疑われた口腔扁平上皮癌患者のうち、CT検査に同意した患者を対象として、術前評価として320列面検出器CT撮影装置(Aquillion one、東芝)を用いて経静脈造影検査を行った。前年度の臨床的検討によって確立したヨード系造影剤の注入速度および撮影タイミングでの検査を行い、造影撮影相と単純撮影相画像から非線形サブトラクションを行い、骨組織を除去した画像を取得して評価を行った。本年度は下顎歯肉癌8例、上顎歯肉癌1例、口底癌3例に対して実施した。この結果、骨髄内の造影性を描出することが可能となり、病理組織切片との対比をとることにより、顎骨浸潤評価に本法が有用である可能性が示された。 2)本学で現有している、ヌードマウスに対して顎骨浸潤能を有しているヒト口腔扁平上皮癌細胞B88の培養を行い、8週齢雄性ヌードマウス(Balb/c nu/nu)の下顎大臼歯頬側から骨膜下および骨髄に接種した。前年度の検討では顎骨破壊が急激に進行していたため、1x105、2x105、のB88細胞を100μlの生理食塩水に懸濁し、摂取後28日目に動物用CT撮影を行い、顎骨浸潤に伴う骨皮質の破壊状況を確認した。また尾静脈から造影剤を注入して同様にCT撮影を行い、骨髄腔の造影性につき検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
造影CTによる臨床的評価に関しては、現状では面検出器型装置によるボリュームスキャン上限である頭尾方向16cmの撮像範囲で、病変全体を撮像することができている。また非線形サブトラクションにて骨髄内への造影性を描出することができ、当初の症例数も目標に達しているために、おおむね順調に推移している。 顎骨浸潤動物モデル確立に関しては、顎骨浸潤の観察に至適なB88細胞の注入細胞量を明らかにすることができたが、当初行った下顎枝部の骨膜下よりも前方に注入すると、骨髄が豊富な部位への浸潤が生じ、骨髄浸潤状況をより詳細に観察できることがわかったため、標準的な注入部位を変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
造影CT装置による臨床的検討に関しては、当初の予定通り、前年度に引き続いて、術前評価としての経静脈造影検査を行う。現時点でほぼ確立された撮影プロトコルを用いて、症例数の増加をはかる。また、手術症例においては、摘出物の病理組織学的標本との対比を継続して、CTによる骨髄内の造影領域と癌浸潤範囲との対応を明らかにする。 顎骨浸潤モデル確立に関しては、注入部位の変更に伴い、浸潤状況につき追加検討する。今年度は動物用CT装置で軟組織表示法に適した高分解能の単純および造影CTを継続し、動物を用いてのサブトラクションによる顎骨浸潤範囲評価を確立する。
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Causes of Carryover |
細胞培養試薬および試薬類に関して、当講座で未使用分の物品を利用したために、当該年度の実支出額が予定より少なくなった。 今年度は顎骨浸潤動物モデルの確立、ならびに動物を用いての顎骨浸潤範囲評価のための試薬、動物と飼育飼料、試薬類に利用する。また成果発表のための旅費に利用する。
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Research Products
(3 results)