2016 Fiscal Year Research-status Report
16SrRNA解析を応用した高齢者の低栄養起因口腔・腸内細菌叢の網羅的探索
Project/Area Number |
16K11590
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
水口 真実 岡山大学, 大学病院, 助教 (20634489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
大野 彩 (木村彩) 岡山大学, 大学病院, 助教 (20584626)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60613156)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 要介護高齢者 / 低栄養 / 口腔内細菌叢 / 腸内細菌叢 / メタゲノム解析 / 16SRNA解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,倫理審査委員会に研究計画書を提出し承認を得たうえで,研究協力を得た老人保健施設に入所中の要介護高齢者から,低栄養高齢者および対照群として栄養良好高齢者の抽出を行った.低栄養高齢者の選択基準は,BMI<18.5,血清アルブミン値≦3.5g/dl,過去6ヶ月間に3%以上の体重減少または,2~3kgの体重減少が認められること,急性疾患を有さず,過去1ヶ月以内に抗菌薬投与を受けていないこと,常食を経口摂取していること,過去3ヶ月に食事の摂取量が著しく減少していないこととした. そして,低栄養高齢者7名,栄養良好高齢者11名に対して,あらかじめ決めていた臨床診査プロトコールに従い臨床診査データを収集した.その結果,低栄養群7名は平均年齢82.7歳,男性1名,女性6名,平均BMI値は17.1であり,食形態は常食3名,きざみ食2名,ミキサー食1名,経管栄養1名であった.一方,栄養良好群11名は,平均年齢87.6歳,男性1名,女性10名,平均BMI値は22.4で,食形態は常食5名,きざみ食4名,ミキサー食2名であった. これらの対象者の自然唾液および便を採取するため,検体採取プロトコールの設定(得られた臨床検体は,細菌叢構成の維持のため,迅速に嫌気パックを行い,グリセロール・ストックによる凍結保存を行う.自然唾液の採取は朝食後2時間経過後,口腔ケアからも2時間経過後に統一する.)および採取キットの準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は,研究計画の倫理委員会承認を得ること,対象者20名を抽出し臨床診査および検体採取を行う計画であった. このうち,低栄養高齢者 7名,栄養良好高齢者11名の臨床診査は達成できている.また,臨床診査未実施の対象を4名確保しており,対象者20名は達成できる見込みである.検体の採取がまだ実施できていないが,検体採取プロトコールの設定やキットの準備は完了しており,すぐに検体採取に着手できるため,概ね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
1.対象の自然唾液および便をプロトコールに従って採取する. 2.次世代シークエンサーを用いた16SrRNA解析にて,自然唾液および便中の細菌叢を網羅的に解析する.その結果を基に,細菌叢系統的比較解析(UniFrac法)を行い,低栄養高齢者と栄養良好高齢者の腸内細菌叢構成の差異(UniFrac距離)を確認する.さらに,細菌叢を構成する各属,各門の構成比率を算出し,低栄養高齢者の腸内細菌叢に有意に,より優勢な菌属を明らかにする. 3.低栄養/栄養良好高齢者を追跡し,自然唾液および便を採取し,臨床診査を行う.そして,2と同様の方法で口腔内・腸内細菌叢の解析を行い,経時的変化を把握する.
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Causes of Carryover |
28年度に予定していた検体採取に至らず、次世代シークエンサーの委託解析料が使用されなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度に設定した検体採取プロトコロールに従い、検体採取を行う.これら検体を業者に委託する費用が必要である.
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