2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K11597
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 雄一 徳島大学, 病院, 講師 (90403708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 崇晴 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (00581381)
内藤 禎人 徳島大学, 病院, 助教 (20509773)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | PEEK / クラスプ / 審美 |
Outline of Annual Research Achievements |
PEEK樹脂は優れた機械強度や化学安定性を有する歯冠色に近い熱可塑性樹脂であり、クラスプの鉤腕に必要な適度な伸びも有している。しかし、これまで補綴装置としてPEEK樹脂が用いられたことはない。そこで、初年度は細菌付着性の基礎研究や、有限要素法を用いた最適なPEEKクラスプのデザインを設計する予定であった。 細菌付着性の基礎研究に関して、PEEK樹脂の提供を受けている企業がすでに実施していることが判明した。そのため、CAD/CAMで削り出されたクラスプをラボサイドで調整したり、義歯装着時にチェアサイドで調整した後に行う最適な研磨方法を決めるための研磨試験を行うこととした。さらに、PEEKクラスプはレジン床に埋め込むことで使用されるため、レジンとの十分な接着を得ることは必須である。そこでレジンとの十分な接着が得られる最適なPEEK樹脂の表面処理方法を決めるための接着試験を行うことでとした。現在は資料を作成し、実験を行っているところである。 PEEK樹脂の物性はこれまで一般的にクラスプの材料として用いられている金属とはことなるため、PEEK樹脂に最適なクラスプのデザインを設計する必要がある。当初は有限要素法によりこれをデザインする予定であった。しかし、費用の関係上、有限要素のソフトを購入することが難しかったため、今年度に予定していた模型実験を改変してデザインを模索する方法に変更した。当科にはノンクラスプデンチャーのクラスプを模型実験によって評価した実績があり、同様の方法で評価を行いながらPEEKクラスプのデザインを決定していく予定である。現在は実験用の模型を製作している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
事前に検討していた基礎研究がすでに企業によって行われていた、さらには購入を予定していたソフトが思いのほか高価なため購入できなかったことなどから、研究項目や方法の変更が必要にり、研究の進捗状況がやや遅れている。しかし、他の研究項目や方法の目星はついており、現在は順調に実験を進めている。また、PEEK樹脂は海外の企業から提供を受けているのだが、空輸する際に関税での診査が長引き、我々の手元に届くのが予想以上に遅れたのも進捗状況に影響している。
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Strategy for Future Research Activity |
PEEK樹脂をクラスプとして使用するための最適な条件やデザインを決定する。本年度は模型実験にてクラスプデザインの評価を行う予定であったが、これはデザインの設計時に同時に行うこととした。条件やデザインが決まり次第、左右上下顎の小臼歯部での咬合支持が存在している下顎遊離端欠損症例を対象として臨床実験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
有限要素を実施するためにソフトの購入を考えていたのだが、予想以上に費用が高く購入が難しくなったため、次年度に繰り越す形となった。また、他の基礎研究に関しても、当初の予定とは違う実験を行うことになったので、これも影響している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究方法の変更が余儀なくされたのだが、新たな別の方法はすでに考えられており、準備を進めている。昨年度から繰り越された研究費でこれらの実験を進めるための器材や材料を購入する予定である。
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