2016 Fiscal Year Research-status Report
歯科インプラント治療の確実性を高める多機能メンブレンの開発
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16K11598
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内藤 禎人 徳島大学, 病院, 助教 (20509773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 辰秋 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (10609887)
尾関 哲也 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (60277259)
友竹 偉則 徳島大学, 病院, 准教授 (70263853)
市川 哲雄 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (90193432)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯科インプラント / 生体材料 / 骨形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度はこれまでの徐放機能を有する骨補填材開発などの方法を応用させて、骨形成能を有する薬剤を封入したPLGAメンブレンの材料設計、作製、そして物性評価を行った。 PLGAメンブレンに内包させる薬剤としては、骨形成促進に有効であるシンバスタチンを選択した。メンブレンの調製にはブロースピニング法を採用した。まず、シリコン板にポリビニルアルコール(PVA)をコーティングし、その上にスプレーガンを用いて、薬剤と混合したPLGAとアセトン溶液を吹き付けた。乾燥後、PLGA層の上からPVAをキャストし、PVA-PLGA-PVAの層となったサンドイッチ状のメンブレンを得た。このサンドイッチ状メンブレンをシリコン板から剥離し、純水に浸漬することで、PVA層のみが徐々に純水中に溶解し、PLGAのメンブレンが水中に浮遊した状態で回収することができた。 シンバスタチン封入メンブレンはSEM像から均質でムラのないものであることが確認できた。また、作製したメンブレンを37±0.5℃でMWCO 12,000-14,000の透析膜中に入れて溶出試験を行った。溶出試験溶液として、50 mLの0.1 w/v%ポリソルベートPBS溶液を用意し、これに透析膜内に1 mgのマイクロ粒子、もしくはナノ粒子と溶出試験溶液1 mLを入れ、サンプル瓶内で250 rpmで攪拌した。測定は、浸漬後1、2、4、7、9、14、21、28日後に行った。PBS溶液はそれぞれのタイムポイントで交換した。28日間かけてゆるやかな薬剤徐放が確認された。ハンドリング、血液とのなじみも問題ないものと考えられるため、次年度は骨欠損部への埋植試験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載した通りの計画でおおむね実験は進行している。初年度は計画通り、骨形成能促進効果のある薬剤を内包したメンブレンを作製し、その物性について評価することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はラットの頭蓋冠に骨欠損を作成し、骨補填材と、本法にて作製したメンブレンを埋植し、マイクロCTや組織切片による組織学的な評価を行い、本法による機能性メンブレンの有用性を評価する。
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Causes of Carryover |
メンブレンの作製、材料物性評価が予想よりうまく進行し、予定していたポリ乳酸グリコール酸重合体の購入が不要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の動物実験に使用する手術機材の購入に充てる。
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