2017 Fiscal Year Research-status Report
Eccentric運動は疼痛過敏のトリガー因子に成り得るのか?-睡眠との関連-
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16K11628
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鳥巣 哲朗 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (80264258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美保子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (00304957) [Withdrawn]
多田 浩晃 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (70779404)
山下 利佳 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (50336179)
村田 比呂司 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (40229993)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Eccentric運動 / 伸張性運動 / 疼痛感受性 / 低強度かみしめ / 顎筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は睡眠時の顎筋活動が事前の運動負荷として作用し、その後のかみしめ時の疼痛感受性に対しトリガー因子となる可能性に関して検討することを目的としている。 本年度は実験的な事前負荷運動により、その後の低強度持続かみしめ後の疼痛感受性が受ける影響を検討した。事前負荷運動には、睡眠時に生じているであろう伸張性運動を検討項目としガム咀嚼運動との比較を行った。伸張性運動の運動後の疼痛発現には、運動の開始位置(開始時点の筋長)、運動速度(周期)、運動強度、伸張距離など様々な因子が影響することが考えられる。本年度は開始位置12mm、運動強度は最大随意収縮比20%、開口距離30mm、運動速度0.5Hzに設定して検討した。健常被験者5名の記録を行ない、事前運動負荷の2日後の記録開始時点では伸張性運動ではガム咀嚼時と比較し顎筋の不快感や疲労感が増加した。2日後に行った低強度持続咬みしめ後の疼痛感受性は、事前負荷がガム咀嚼の場合と比較し事前負荷が伸張性運動の場合は、かみしめ直後の感受性に上昇傾向がみられたが、統計的に有意な差は現れなかった。本年度はこの研究結果の途中経過を補綴学会九州支部学術大会にて発表した。その後さらに被験者を13名まで増やしたので、次年度は補綴歯科学会および口腔顔面痛学会での発表を予定している。最終的には20名まで被験者を増やし更に検討を進める予定である。 一方で事前負荷運動として咀嚼運動に関しても検討中で、食品周囲のトロミ変化による咀嚼の容易性、咀嚼効率を解析中である。 睡眠時の筋活動記録は長時間かつ微小な変化を捉えることを目的に記録器材の検討・改善を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
睡眠時に生じているであろう伸張性運動を事前負荷運動として実験的な条件のもと、その後のかみしめ運動後の疼痛感受性に関して検討している。現在のデータでは事前負荷の種類による統計的有意差は認められていない。しかし事前負荷を行っていない我々の以前の研究データと比較し、かみしめ後の変化は異なる様相を呈し、事前負荷運動がトリガー因子として何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられ、当初の計画に対しておおむね順調な実験結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
睡眠時に生じているであろう伸張性運動を事前負荷運動として用いた実験条件で被験者数を更に確保し伸張性運動の特徴を検討する。また実際の睡眠中の咀嚼筋活動を記録・解析することで睡眠中の顎筋活動の特徴、とくに伸張性運動発現頻度の解析を行う。
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Causes of Carryover |
経費削減に努めた結果により残額が生じた。次年度の実験に使用予定である。
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