2017 Fiscal Year Research-status Report
原子層堆積処理をした生体移植用材料のin vitroおよびin vivo評価
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16K11666
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
林 達秀 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (70367621)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 原子層堆積(ALD) / 超薄膜 / ジルコニア(ZrO2) / マウス線維芽細胞様細胞(L929) / マウス骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1) / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
純チタンはオッセオインテグレーション能を有するため歯科用インプラント材料として広く臨床応用されているが、より高いオッセオインテグレーションが得られるよう、インプラント体表面は酸処理、ハイドロキシアパタイトコーティングなど,種々の表面処理が施されている。 本研究において、電子ビーム粉末造形機(EBM)で作製した純チタンディスク上に原子層堆積(ALD)によるジルコニアの超薄膜を生成し、同試料上でマウス線維芽細胞(L929)および、マウス骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)をそれぞれ培養し、その増殖能を評価した。 先ずALDによるジルコニア成膜についてであるが、透過型電子顕微鏡観察により成膜厚さは約65 nmであることが分かった。さらに、純チタンディスクとジルコニア超薄膜の間には約12 nmのチタニアが自然成膜されていることも分かった。 純チタンディスク上でL929を5日間培養した結果、経時的に細胞数は増殖していたが、コントロール(ジルコニア超薄膜なし)と比較して細胞数が優位に増加していることはなかった。また、MC3T3-E1は純チタンディスク上で9日間培養したが、ジルコニア成膜した純チタンディスク上での細胞増殖はL929と同様 コントロールと同等であり、優位に増加していなかった。 本研究の計画段階において、純チタンディスク上への成膜厚さを10 nm単位で変え、成膜厚さの違いが細胞増殖に影響を及ぼすかも検討する予定でいたが、厳密に10 nm単位で厚みを制御するのは現在のところ困難であり、さらなる試行が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在、愛知学院大学在外研究員として、米国ミズーリ大学カンザスシティ校に赴任中である。(H29年8月20日~平成30年7月19日) 従って この間、当研究課題は中断している。帰国後 速やかに再開する予定でいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において、EBMにより作製した純チタンディスクにALDによるジルコニア成膜を行い、同試料上で細胞培養を試みたが、現在のところコントロール(ジルコニア超薄膜なし)と比較して優位な結果は得られていない。われわれの過去の研究において、EBMによって作製した純チタンディスク上で培養した細胞の増殖率は、通常の純チタンディスク上よりも優位に優れているという結果を得ていることから、EBMで作製した純チタンディスク自体に細胞増殖能を促進する何らかの因子があると推測している。この理由を再度検討することも含め、再度 通常の純チタンディスク上でも細胞培養を試み、その結果とも比較する必要があると考える。 また、H29年度はALDによる成膜はジルコニアのみであったが、H30年度はシリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)等の成膜も試み、同様に細胞増殖能を検討する予定でいる。
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Causes of Carryover |
H29年8月20日より、愛知学院大学在外研究員として、米国ミズーリ大学カンザスシティ校に赴任中である。(平成30年7月19日迄) 従って現在、当研究課題の進行を中断せざるを得ない状況にあるため。 帰国後 速やかに研究を再開する。
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