2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation candidate genes of cleft lip and palate using gene-gene interaction analysis
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16K11689
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新井 伸作 九州大学, 大学病院, 助教 (40529806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 弘紀 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (80315093)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口唇口蓋裂 / マイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
口唇口蓋裂は、口唇、歯槽骨および口蓋などに裂を生じる先天性疾患であり、現在の治療は出生後の外科的手術が一般的である。口唇口蓋裂は頻度の高い先天異常の一つとして知られているが、多くの要因が複雑に関与して発症する多因子疾患である。そのため、個々の要因の特定は非常に困難であり、環境因子や遺伝子的要因など、様々な方法で口唇口蓋裂発症要因の同定が進められている。本研究課題は、遺伝子的要因に着目し、口唇口蓋裂の発症要因の検証を行うことを目的として研究を開始した。 本年度は口蓋裂発症遺伝子の検索として、発生期のマウス口蓋を用いて、マイクロアレイ法を行った。口蓋は顔面発生初期には、もともと左右に分かれて舌の側方に位置しており、口蓋が舌を乗り越えて挙上することで癒合が開始される。そのため、口蓋裂の発生機序としては、口蓋挙上の不全および上皮細胞の癒合不全の2つの機序が考えられる。口蓋挙上は主に間葉細胞の増殖および移動によるものであり、癒合は左右口蓋突起が接する上皮細胞の癒合不全によるものと考えられる。マイクロアレイ法により口蓋発生時期には約4万個の遺伝子が働いていることが判明した。その中で発生期口蓋に強く発現する2866個の遺伝子に着目した。口蓋前方部の口蓋骨が裏打ちする硬口蓋と後方部の軟口蓋とにわけgene ontology解析を行ったところ、硬口蓋ではcell adhesionおよびregulation of cell proliferationなどの遺伝子群が上昇しており、口蓋の癒合には細胞増殖および上皮細胞による細胞接着が重要であることが示唆された。
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