2017 Fiscal Year Research-status Report
口腔がん難民救済のためのプチドワクチン療法実用化への第一歩を踏み出す研究
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16K11725
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉武 義泰 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (00423682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾木 秀直 熊本大学, 生命科学研究部(医), 助教 (10315426)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔癌 / バイオマーカー / 免疫療法 / CTLエピトープ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度および昨年度の実績としましては、治療効果を的確に予測できる可能性のあるバイオマーカーの探索・同定と、それらの簡易的な検出方法の開発を試みるという一つの目的に関しまして、学術論文としてInternational Journal of Oncologyに2本の論文を発表することができたことが一番に挙げられます。今回は発表した分子は口腔癌の進行度を反映することができ進行度マーカーとして利用できることを報告しました。さらに腫瘍免疫療法の標的分子にもなり得ることも見出しました。今後、免疫療法の一助になるよう研究を続けていく所存です。 一方で、すでに同定したTh1細胞が認識するHLAクラスII (HLA-II)拘束性抗原ペプチドとこれまでのCTLエピトープペプチドとの併用による進行がん患者における抗腫瘍効果の増強を検討しより効果のある口腔癌ペプチドワクチン療法を確立するという目的に関しても、学術論文としてOncoimmunologyに発表できたことを報告致します。本研究は私どもだけではなく、東京大学医科学研究所および熊本大学大学院生命科学研究部免疫識別学講座との緊密な共同研究の成果です。この業績に引き続き、さらに数本の学術論文がでると考えております。 本研究の結果、病期の判断マーカーもなく、また治療の効果を判定するマーカーもなかった口腔癌において客観的に判断することのできる手段を得ることができました。そのことによって、これまでは治療法がないと言われ、だた死を迎えるだけであった頭頸部癌扁平上皮癌難民に対して新たな治療法の第一歩を踏み出すことができました。保険適用になりましたニボルマブにおいても、その効果判定や適用患者を投与前に区分することができるようになるかもしれません。さらに、免疫療法の治療標的分子としても、口腔癌を克服できる一筋の光明になる可能性を秘めていること考えております。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究においては、これまでの口腔癌治療における臨床研究結果を科学雑誌に発表する、というところが大きな目的でした。われわれの長年続けてきた基礎研究および臨床研究はまだまだこれからも継続していくのですが、その到達点の確認として論文発表が重要なpointになっていることは言うまでもありません。この2年間、これまでの研究成果を学術論文として科学雑誌に掲載することができたことによりわれわれの研究の方向性は間違っていない、むしろこのままの方向で一心に進んでいくことが大切であるという考えにたどり着きました。この2年間の論文掲載とういう結果を糧に、チーム一丸となって今後も臨床研究を推進していく所存です。われわれの研究は個人ではなくチームプレイですので、今後の臨床研究のモチベーションを皆が得ることができた、という点において研究目的はおおむね順調に進展している、今後も進展していくことであろう、と考えます。
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Strategy for Future Research Activity |
われわれは治療法がないと宣告され、何の治療も受けることが出来ない頭頸部癌・口腔癌患者、すなわち癌難民になってしまった患者が次の一手としての効果的な治療を受けることが出来るよう新たな治療法あるいは治療薬を見出すこと、あるいは正確な診断を下すための診断マーカーを開発することがわれわれの最大の目的です。今後、①これまでと同様に、治療法がない、と宣告された頭頸部扁平上皮癌患者に対してペプチドワクチン療法を施行していく、②そもそもペプチドワクチン療法は副作用がほとんどありませんので他療法との併用も可能である、と言われています。したがって、分子標的薬や化学療法薬との併用療法を検討していく。とくに新たに保険適用となったニボルマブとの併用は今後是非とも開発していきたい治療法です。③扁平上皮癌だけでなく、唾液腺癌や頭頸部の肉腫などの手術療法しか治療法がない悪性腫瘍に対してもわれわれの開発した治療法が有効であることを示せるよう、また治療法を確立できるよう研究を進めていく、ことが今後のわれわれの研究推進方針です。
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Causes of Carryover |
旅費とその他の経費の使用が予定より少なかったが、次年度は遠方への学会出張などがあるため、それらの支出に当てる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Phase II clinical trial of multiple peptide vaccination for advanced head and neck cancer patients with induced immune responses and a prolonged OS.2017
Author(s)
③Yoshihiro Yoshitake, Daiki Fukuma, Akira Yuno, Masatoshi Hirayama, Hideki Nakayama, Takuya Tanaka, Masashi Nagata, Kenta Kawahara, Yoshihiro Nakagawa, Ryoji Yoshida, Hidenao Ogi, Akimitsu Hiraki, Hirofumi Jono, Akinobu Hamada, Koji Yoshida, Takuya Tsunoda, Yasuharu Nishimura, Yusuke Nakamura, Masanori Shinohara
Organizer
European Society for Medical Oncology (ESMO)
Int'l Joint Research