2018 Fiscal Year Research-status Report
硫酸カルシウムから作製した多孔質炭酸アパタイトと骨髄幹細胞による骨再生医療の開発
Project/Area Number |
16K11752
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
藤澤 健司 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (40228979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (20200214)
永井 宏和 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (50282190) [Withdrawn]
大江 剛 徳島大学, 病院, 講師 (60432762) [Withdrawn]
高丸 菜都美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 徳島大学専門研究員 (40513031) [Withdrawn]
石川 邦夫 九州大学, 歯学研究院, 教授 (90202952)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 炭酸アパタイト多孔体 / 冷間等方圧加圧法 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は主に動物実験での評価を行った.これまでと同様の方法で,硫酸カルシウム粉末と各種径の(直径50, 120, 205μm)ナイロンの繊維を焼成混和して硬化後にナイロン繊維を除去することで硫酸カルシウムの多孔体を作成し,これを炭酸ナトリウム水溶液,リン酸水素ナトリウム水溶液に浸漬することで炭酸アパタイト多孔体へ組成変換した.ついで顆粒径が1~1.4mmとなるように粉砕,分粒し,炭酸アパタイト多孔体顆粒を作製した.次に炭酸アパタイト多孔体顆粒とコントロールとして炭酸アパタイト緻密体顆粒をウサギの頭蓋骨にトレフィンバーにて径8mmの欠損を作製し埋入を行った.2, 4, 8週後に摘出し組織学的に観察を行った.新生骨量は組織切片上でImage J にて計測した. 2週では,骨欠損内の顆粒内部にそれぞれの気孔径を持つことが確認でき,断端付近には新生骨が確認された.緻密体は顆粒辺縁のみに新生骨が認められるが,気孔径50,120μmの多孔体は,すでに気孔内部にも新生骨が形成されていることが確認できた.気孔径205μmの顆粒ではこの時点では気孔内での骨形成は認めなかった.4週では断端部分では顆粒周囲の新生骨が増加しているのが確認できた.また欠損中央でも顆粒周囲と気孔内部に新生骨の形成が確認できた.さらに8週になると,欠損部全体で骨形成を認め,緻密体と比べ多孔体は顆粒内部の骨形成も顕著に進んでいることが確認できた.新生骨量はそれぞれの埋入期間において,緻密体と気孔径205μmの顆粒が同程度で,気孔径50μmと120μmの顆粒の骨形成量が多かった.気孔部の骨形成は,埋入2週では205μmの気孔部には新生骨が認めなかった,埋入4,8週では気孔径が120, 50, 205μmの順で骨形成量が多かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は,炭酸アパタイト多孔体の実験動物への埋入を主に行ってきたが,結果に関しては,概ね予期していたとおりであった.ただ,研究代表者の異動により少し研究が中断したため,進捗状況としてはやや遅れており,研究期間を1年延長するに至った.
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Strategy for Future Research Activity |
炭酸アパタイト多孔体の気孔径と,骨形成との間の相関関係がはっきりしないため,今後はさらに新たな気孔径の炭酸アパタイト多孔体顆粒を作製し,動物実験で骨形成に関して評価する予定である.
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Causes of Carryover |
当該年度は,炭酸アパタイト多孔体の実験動物への埋入を主に行ってきたが,研究代表者の異動により少し研究が中断したため,進捗状況としてはやや遅れており,研究期間を1年延長するに至った.今後はさらに新たな気孔径の炭酸アパタイト多孔体顆粒を作製し,動物実験で骨形成に関して評価する予定である.
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Research Products
(5 results)