2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of brain-derived neurotrophic factor (BDNF) on macrophage activation for periodontal therapy
Project/Area Number |
16K11831
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
武田 克浩 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (10452591)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳由来神経栄養因子 / 歯周炎 / 非外科的歯周治療 / ビーグル犬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、軽度に破壊された歯周組織を再生させる非外科的歯周治療法を開発することを目的とした。当研究室ではこれまでに、フラップ手術に脳由来神経栄養因子(BDNF)/高分子ヒアルロン酸(HMW-HA)複合体ゲルを併用すると、セメント質と歯槽骨の再生が促進されることをビーグル犬とカニクイザルの根分岐部病変モデル(中等度歯周組織欠損を想定)で明らかにした。さらに非外科的に歯周組織を再生する上での障害となる歯肉上皮細胞のアポトーシスをBDNFが誘導することもin vitroで明らかにした。これらのBDNFの特徴を踏まえて、軽度歯周炎に対してスケーリング・ルートプレーニング(SRP)を行い、歯周ポケット内にBDNFを投与することで非外科的に歯周組織再生が促進されるという仮説を立てた。ビーグル犬の下顎第2~4前臼歯に絹糸を結紮し、軽度歯周組織破壊を伴う歯周炎モデルを作製した。SRP後にBDNF/HMW-HA複合体ゲルを歯周ポケット内に注入した(BDNF/HMW-HA群)。対照として無処置群、SRPのみ行う群、SRP後にHMW-HAを投与する群を設定した。処置前と処置2週後または6週後に臨床データ(アタッチメントレベル、ポケットデブス、プロービング時の出血、歯肉炎指数)を記録した後に灌流固定し、組織標本作製後、HE染色、アザン染色、免疫染色(オステオポンチン、BDNF受容体TrkB、マクロファージ)を行い観察した。BDNF/HMW-HA群は対照群と比較し、臨床データが最も改善し、組織学的には歯周ポケット内の上皮の根尖側への増殖が抑制され、炎症性細胞浸潤は最も軽度であった。また、コラーゲン線維の埋入を伴う新生セメント質と新生骨が観察された。新生セメント質表層や新生骨にTrkBとオステオポンチンに陽性反応を示す細胞が認められた。以上のことから、BDNFが歯周組織再生を促進したと考えられる。
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Research Products
(2 results)