2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new periodontal treatment targeting the cross talk between osteoclast and osteoblast
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16K11833
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
稲垣 裕司 徳島大学, 病院, 講師 (50380019)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯周病 / 骨カップリング / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / Ephrin / 歯周炎モデルラット |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28~29年度にかけて、破骨細胞(Raw264.7)と骨芽細胞(MC3T3-E1)を用いて、骨カップリングファクターの発現に影響を与える物質を探索した。その結果、漢方製剤の甘露飲エキスが、破骨細胞に特異的なEphrinB2やSemaphorin4D、およびS1P合成酵素であるSPHK1の発現を抑制することを明らかにした。また甘露飲エキスがRANKL誘導性の破骨細胞分化を抑制するとともに、骨芽細胞の石灰化能を増加させることも明らかにした。さらに歯周炎モデルラットを用いて歯槽骨吸収に対する効果を検討したところ、経口投与で骨吸収を有意に抑制した。 平成30年度はこれらの結果を踏まえ、Raw264.7とMC3T3-E1を用いて、細胞生存率、上記以外の骨カップリングファクターや骨代謝マーカーの発現に対する甘露飲エキスの影響をin vitroで調べた。 Raw264.7について甘露飲エキスを0.01~1 mg/mlの範囲で培地に添加し、48時間と72時間後の細胞生存率を測定したところ、0.2mg/ml以上の高濃度で細胞生存率が低下した。同様にMC3T3-E1について甘露飲エキスを0.01~1 mg/mlの範囲で培地に添加後、48時間と72時間後の細胞生存率を測定したところ、0.5mg/ml以上の高濃度で細胞生存率が低下した。またMC3T3-E1では甘露飲エキス 0.01~0.2mg/mlで骨形成マーカーであるOsteocalcinの発現が濃度依存的に増加したが、0.5mg/mlの高濃度では発現が抑制された。 次にラットの全身の骨代謝に対する甘露飲エキスの影響をin vivoで検討した。その結果、甘露飲エキスの経口投与による体重、大腿骨の骨塩量やDXAに対する影響は認められなかった。従って、甘露飲エキスは歯周炎局所の歯槽骨吸収を抑制したが、全身の骨代謝に対して影響は与えなかった。
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