2017 Fiscal Year Research-status Report
看護系高大接続による入学時学習レディネスが職業アイデンティティの発達に及ぼす影響
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16K11978
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Research Institution | Osaka Shin-ai College |
Principal Investigator |
上田 博之 大阪信愛女学院短期大学, その他部局等, 教授 (00203448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 あゆみ 同志社大学, 心理学部, 教授 (00373085)
田中 希穂 同志社大学, 文学部, その他(移行) (40399043)
豊島 めぐみ 梅花女子大学, 看護保健学部, 助教 (70773274)
小林 菜穂子 四條畷学園大学, 看護学部, 助教 (80751114)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高大接続 / 看護教育 / 職業的アイデンティティ / 自己効力感 / 目標志向 |
Outline of Annual Research Achievements |
高大接続の主たる目的は,1)高校生が大学教員による講義や演習を受講することで職業的アイデンティティを高め目標設定を容易にすることと2)目標志向や自己効力感を高め大学入学後の学習を円滑に進めることである.前年度に実施した高大接続に参加し,看護系短期大学に入学した学生の入学時および1年前期終了後の目標志向,自己効力感を高大接続に不参加の学生と比較するとともに,職業的アイデンティティについて調査した.その結果,高大接続に参加した学生は,学習目標(目標志向)と行動統制(自己効力感)において,不参加の学生よりも高い傾向を示した.入学後の半年間,大学教育に触れる中で行動統制の自己効力感,目標志向のうち学習目標と達成目標が低下する傾向がみられた.また,高校在籍時高い水準にあった高大接続参加学生の職業的アイデンティティは,大学1年前期終了時に低下し,目標志向の低下との関連性が示唆された.これらのことから,高大接続事業は入学前準備としての目標志向や自己効力感を高める重要な役割を果たす可能性が示唆された.しかし,今回の高大接続事業では,学生の入学後の職業的アイデンティティが低下したことから,入学前の看護師像と入学後のそれとのギャップが生じている可能性が考えられる。入学前後の看護師像のギャップをなくす方策を考慮し,短期大学入学後には職業的アイデンティティ形成を念頭にした学習目標設定を促すことや自己効力感向上を目指した教育を行うことが必要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度実施した高大接続に参加した生徒の入学後の目標志向,自己効力感ならびに職業的アイデンティティについて,未参加学生との比較から詳細な検討ができた.さらに,これらの生徒の感想を参考にして,主に講義,見学,体験の形態で実施される授業に,生体信号計測などの学習機会やグループ演習を加えた高大接続を実施した.次年度は,これらの生徒を追跡調査した結果を再度検討する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の高大接続において,主に講義,見学,体験の形態で実施される授業に加えて生体信号計測などの学習機会を含むグループ学習を実施した.この高大接続に参加した生徒のうち調査協力が得られる生徒を追跡し,看護系大学・短期大学入学後の目標志向,自己効力感および職業アイデンティティの発達を調査する.
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Causes of Carryover |
分担者の学会発表への参加が見送られたため,次年度への繰り越す.
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[Presentation] How similar is early adolescents’ time perspective compared to their parents’?2018
Author(s)
Ishii, R., Fukuzumi, N., Ishikawa, S., Murakami, T., Murayama, K., Ohtani, K., Sakaki, M., Suzuki, T., & Tanaka, A.
Organizer
American Educational Research Association Annual Meeting
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