2016 Fiscal Year Research-status Report
SEIQoL-DWを経時的に用いての若年性神経難病患者のQOL評価とケア構築
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16K12050
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
秋山 智 広島国際大学, 看護学部, 教授 (50284401)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神経難病 / 若年性パーキンソン病 / Quality of Life:QOL / SEIQoL-DW / MASAC-PD31 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、若年性の神経難病患者(特に若年性パーキンソン病患者)の生活の質(Quality of Life:QOL)について、数年間経時的に“SEIQoL-DW”を実施することにより明らかになった変化の様相とその意味について分析し、進行性の難病である若年性パーキンソン病 患者のQOLの特徴について明らかにすると共に、心身の状況をみる“MASAC-PD31”との関連について検討する。そしてその過程の中で、患者のQOL向上のためのケア方策を構築することを目的とする。 1.対象者のリクルート ①調査対象となる若年性パーキンソン病患者の探索に関しては、患者団体などを通じたネットワークサンプリングをベースに徐々に拡大した。対象者は地域で生活している人で、北海道から九州まで日本全国に及んだ。②研究対象者は、前年度までに行っていた科研費補助金による研究対象者に引き続き協力を得られたので、当初よりある程度の人数は確保できた。しかし、スノーボールサンプリング方式でさらに拡大した。今年度は、44人に実施することができた。 2.データ収集・結果 ①データの収集に関しては、対象者との関係性などがあるため、基本的に同じ研究者が一人で行なった。本研究のデータ収集は対象者との面接であるため、研究者が対象者の自宅または対象者の指定する自宅近くの場所に赴き、データ収集を実施した。②SEIQoL-DWは半構造化面接法で実施し、語って頂いた内容を専門の用紙に研究者が記載した。③MASAC-PD31は、対象者に回答番号を記入してもらった。ただし、自分で記載できない場合は、研究者が聞き取り記入した。④一部遠方の対象者には、電話・メール・郵送法を取った。⑤44名のSEIQoL-DWの平均値は60.61、標準偏差±18.58、最大値90.75、最小値6.25であった。⑥MASAC-PD31との関連は、次年度以降の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では、人数的には順調に対象者が得られている。ただし、全体的にやや年齢層が高くなってきているため、より若い層の対象者を増やすことが課題である。 また、何らかの健康障害その他の理由により、今後調査が継続できなくなる対象者が出てくることも考え、さらに人数は増やす必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
①5年の期間を使い、SEIQoL-DWを一人あたり1年に1度ずつ聴取する。 ②同時に、MASAC-PD31を聴取する。 ③SEIQoL-DWの値と内容の変動について、研究者と患者自身との対話、およびMASAC-PD31との比較により検討する。 ④以上のことにより、患者のQOLの向上のためのケアの施策について患者自身と検討する。 この方針により、上記のデータ収集(対象者との面接、SEIQoL-DW、 MASAC-PD31)を毎年1度ずつ同じ対象者に繰り返していく。さらに、2年目以降は、特にSEIQoL-DWについては、前年度のその対象者のものと比較し、対象者と共にキューの内容やインデックス値の変化に対する比較検討を行う。そして、内容や値の変動の理由を分析し、QOL向上のための方策の構築を検討する。なお、随時、対象者が増えれば追加してゆく。
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Research Products
(6 results)