2019 Fiscal Year Research-status Report
SEIQoL-DWを経時的に用いての若年性神経難病患者のQOL評価とケア構築
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16K12050
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
秋山 智 広島国際大学, 看護学部, 教授 (50284401)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 若年性パーキンソン病 / SEIQoL-DW / QOL / 神経難病 / MASAC-PD31 / UUIS / DBS |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】本研究は、若年性パーキンソン病の生活の質(QOL)について、最大14年間経時的にSEIQoL-DWを実施することにより明らかに なった変化の様相からその意味について分析し、若年性パーキンソン病患者のQOLの変化の特徴について明らかにすると共に、患者のQOLの向上に寄与する方策を 検討することを目的とする。 【研究方法】調査対象は、概ね40歳代以下で発症し、かつ現在60歳代以下のパーキンソン病患者63名。調査方法は、原則として1年に1回ずつ同じ対象者に SEIQoL-DWを実施し、それを数年(最大14年)にわたり継続、その変化の様相と原因を対象者と共に検討した。(所属大学の倫理審査済み)。 【結果】SEIQoL-DWは14年間で63名に実施した。全545回の平均値は約65であった。2年以上で複数回実施した51名(437回分)のデータから、2回目以降が 前回の値より上昇していたのが約45.0%、下降していたのが約55.0%だった。また、14年間という長い目で平均値を見ると、初回が72.1だったが、その後少しずつ低下していた。特に長期間(11年から14年)実施した34名の初回と最終回の値の比較においては、上昇した人が20%、下降した人が約80% だった。しかしそんな中でも、症状は進行しているにもかかわらず、10年以上経っても高い値を維持している人たちも存在した。 また対象者の中で、治療としてDBSを受けていた人が13名いた。この人たちの発症平均年齢31.1歳、現平均年齢57.3歳、平均罹患年数26.2年、DBS実施からの平均年数9.8年であった。SEIQoL-DWとの関連においては、DBS前後の値を比較すると、実施直後の値についてはほとんどの人が上昇、または高い値での維持を示していた。しかし多くの場合それは長くは続かず、その後はまた上下動を繰り返す傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では、概ね順調である。毎年継続して、データ収集ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では、概ね順調である。ただし、本研究は長期間継続する必要があるため、若年性とはいえ対象者の多くが50代以上となりやや高齢化している。しかし、対象者がやや高齢化しているということは、別の視点から見るとそれだけ罹患年数が増えたということであり、最近発症した人と比較すると長いなりに別の思いも存在することも明らかとなってきている。今後、その観点からの考察も必要である。 また、長い期間の中で症状が進行し、今後の調査が継続できなくなる人も少し出てきているため、そういう意味で新規の対象者を増やす必要もある。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、予定していた調査(東海方面、九州方面)に出かけることができなくなった。やむなく、その分も次年度に回すことにする。
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Research Products
(7 results)