2020 Fiscal Year Research-status Report
SEIQoL-DWを経時的に用いての若年性神経難病患者のQOL評価とケア構築
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16K12050
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
秋山 智 広島国際大学, 看護学部, 教授 (50284401)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 若年性パーキンソン病 / QOL / SEIQoL-DW |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】筆者は若年性パーキンソン病患者の生活の質(QOL)について、長期的に毎年SEIQoL-DWを実施してきたが、15年目にあたる2020年度においては新型コロナウイルスの感染拡大を受け対面調査を実施できず、郵送及び電話による調査にならざるを得なかった。今回は、SEIQoL-DWの内容を前年度と比較したうえで、患者の生活におけるコロナ禍の影響について明らかにすることを目的とした。 【研究方法】分析対象は、毎年SEIQoL-DWを実施してきている患者のうち、昨年と今年ともにデータが取れた42名のデータである。 【結果】対象者には長年SEIQoL-DWに協力いただいているため、郵送及び電話による調査でも十分対応可能であった。全42名の2019年度の平均値は58.7、コロナ禍の2020年度の平均値は62.4であり、前年よりも下降した人が17名(40.5%)、上昇した人が25名(59.5%)であった。コロナ禍であるからといって特別にキューの項目に変化があるわけではなかったが、その内容の記載、および電話での聴取から、コロナによるマイナス面の影響だけでなく、その対処法や逆にプラスの面もあることが明らかとなった。マイナス面の影響では、外出(旅行・趣味・外食ができない)、運動・リハビリ(施設に行けない、趣味の運動ができない)、受療(通院できない、入院時面会制限)、出産(面会制限)、家族関係(遠方や入所中の親に会えない)、患者活動(何もできない)、友人関係(会えない)、仕事(通勤できない、お客の激減)、美容(体重増)、身近な人の感染、心理面(心配、不安)などが挙げられたが、それぞれに対処していた。逆にプラスの面では、オンライン診療やリモート(ZOOM)の利用による人との繋がりの可能性、在宅勤務や職業選択の可能性などこれまでにない世界の広がりを見出せていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度はコロナ禍のため、初めてSEIQoL-DW等の調査を対面で実施することはできなかったが、やむなく予定患者の大部分において郵送及び電話において調査し、それなりにデータを収集することができた。 ただし、やはり対面に比べるとデータの深さに課題が残り、一日も早い対面調査の復活が望まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きSEIQoL-DW、MASAC-PD31、UUISなどの聞き取り調査を行ったうえで、経時的な変化の分析を行っていく。ただし、2021年度こそは調査はできれば対面が望ましい。
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Causes of Carryover |
2020年度は予期していなかったコロナ禍となったため、県をまたいだ調査(出張)に行くことができず、本来旅費として計上していた額の大部分が繰り越しにならざるを得なかった。
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Research Products
(6 results)