2021 Fiscal Year Research-status Report
SEIQoL-DWを経時的に用いての若年性神経難病患者のQOL評価とケア構築
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16K12050
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
秋山 智 広島国際大学, 看護学部, 教授 (50284401)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 若年性パーキンソン病 / QOL / SEIQoL-DW |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】筆者はこれまで若年性PD患者に毎年SEIQoL-DWを実施してきたが、15~16年目にあたる2020~21年度においてはコロナ禍の影響が多く現れた。そこで今年はSEIQoL-DWの内容をコロナ前と比較したうえで、患者の生活におけるコロナ禍の2年間の影響について明らかにすることを目的として実施した。 【研究方法】分析対象は、毎年SEIQoL-DWを実施してきている患者のうち、この3年間持続して調査できた40名のデータである。これまでは対面調査であったが、この2年間はコロナ禍の影響により郵送及び電話による調査とした。 【結果】全40名の2019年度の平均値は59.8、コロナ禍1年目の2020年度の平均値は63.5、そして2年目の2021年度は59.6であった。また2020年度は前年よりも上昇した人が多かった(上昇24:下降16)が、2021年度は同数であった(20:20)。コロナ禍であるからといって特別にキューの項目に変化はなかったが、その内容の分析から、マイナス面の影響では、外出(旅行・趣味・外食ができない)、運動・リハビリ(施設に行けない、運動ができない)、受療(通院できない、入院時面会制限)、家族関係(遠方や入所中の親に会えない)、患者活動(何もできない)、友人関係(会えない)、仕事(通勤できない、お客の激減)、心理面(心配、不安)などが挙げられ、それぞれに対処はしていた。逆にプラスの面では、オンライン診療やリモート(ZOOM)の利用による人との繋がりの可能性、在宅勤務や職業選択の可能性などこれまでにない世界の広がりを見出せていた。 【考察】コロナ禍の生活だからといって、SEIQoL-DWからみると全体としては患者のQOLが大きく下がったわけではなかった。しかしコロナによる様々な制限の長期化が及ぼしている影響は昨年以上に大きく、一も早いコロナの終息が望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度もコロナ禍のため対象者に対面でのSEIQoL-DW等の調査はできず、ごく一部の地元の患者を除いてやむなく郵送及び電話での調査となったが、何とかデータを収集することはできた。 ただし、やはり対面に比べると患者の内面的な部分におけるデータの深さに課題があり、また一部の患者には筆記・言語能力の低下のため郵送・電話では対応できない方もおられた。一日も早いコロナの終息と対面調査の復活が望まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
本来対面での調査計画であったが、この2年はコロナのため対面調査に行くことが出来ず、すなわち予定していた旅費も全く手つかずの状況となったため、さらにもう1年研究期間が延長になった。本研究は研究の趣旨から長期継続になればなるほど意義があるため、その点においてはプラスに考え、引き続き次年度もSEIQoL-DW、MASAC-PD31、UUIS、その他の聞き取り調査を行ったうえで、経時的な変化の分析を実施していく。ただし、次年度こそは対面での調査が望まれる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、予定していた調査出張に全く行くことが全く出来ず、その結果旅費を使わなかった。そのため次年度に持ち越す。
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Research Products
(7 results)