2016 Fiscal Year Research-status Report
不育症女性の精神的支援-ピア・カウンセリングの効果-
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16K12094
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片岡 久美恵 岡山大学, 保健学研究科, 講師 (20613780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中塚 幹也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 不育症 / 精神的支援 / ピア・カウンセリング / 流産 / 死産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、不育症女性におけるピア・カウンセリングによる精神的支援の効果を具体的に検証することを目的としたものである。初年度であるH28年度は、不育症女性の精神的支援を行うために情報ニーズを明確化した。日本最大級の女性限定口コミサイト(株式会社ベネッセコーポレーションが管理するウィメンズパーク)上で2013~2015年の間に発言された内容816件を分析した。その結果、不育症女性は「検査」に関する情報のニーズが高いため、臨床で個別性を踏まえた上でタイムリーに情報提供する必要があることが明らかとなった。さらに、流産・死産後の悲嘆について、経験者から具体的な情報提供やアドバイスを求めていることが明らかとなり、これに関してピア・カウンセリングが有用であるといえる。この結果をピア・カウンセリングの運営に活かしていくことが必要である。 また、実際にピア・カウンセリングを開催し、効果を測定するために参加する女性の負担を軽減できるよう準備に重点を置いた。まず、自律神経活動を測定するために必要な機材を整えた。そして、スタッフ間で目的を共有するためのミーティングや実践を考慮したシミュレーションを行うなど次年度のピア・カウンセリングを開催した際に効果を測定するための実践に向けて環境を整えた。 今後は、これまでピア・カウンセリングに参加した経験者からのインタビューを通してそのニーズや効果を明らかにするとともに、ピア・カウンセリングを4回/年開催し、実施前後での効果を測定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在は、実践に向けての準備が整った状況である。この理由は、領域内の教員の産休・育休による人員不足や助産学実習の延長があったことや、学内での委員会や学生の海外派遣の引率を担当するなど、学生の教育に関する活動が多くなったことで、研究代表者の本研究に関るエフォートが減少したためであると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究代表者が本研究に関するエフォートを確保し、インタビューから不育症女性のピア・カウンセリング等の精神的支援に関するニーズを明らかにする。また、4回/年のピア・カウンセリングを開催し、データ収集を行う。
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Causes of Carryover |
H28年度にインタビューやピア・カウンセリング前後の質問紙の配布が実施できなかったので、その費用を翌年度に使用するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタビューを実施し分析するための逐語録の作成やピア・カウンセリング開催にあたり会議費や質問紙の郵送等に使用する予定としている。
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Research Products
(1 results)