2018 Fiscal Year Research-status Report
分娩時大量出血に伴う産後貧血と母乳分泌および母乳中鉄含有量の変化に関する研究
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16K12161
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
板谷 裕美 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (70321180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 潤子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (40381917)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 母乳中鉄含有量 / 分娩時大量出血 / 食事摂取状況 / 母乳育児支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国では近年、出産年齢の高齢化に伴い、分娩時大量出血(postpartum hemorrhage:PPH)を引き起こす産婦が増えている。分娩時出血に伴う貧血と、母乳分泌の関連には、いまだ一定の見解が得られておらず、栄養摂取状況も含めた縦断的調査を実施した報告はほとんどない。 本研究の目的は、分娩時大量出血に伴う産後貧血を合併した褥婦と、正常な経過をたどる褥婦との間で、母乳中の鉄含有量および乳汁分泌量に差があるのかどうか、縦断的に比較検討を行うことである。 A産科クリニックで正常新生児を正期産・経膣分娩した褥婦20名を対象に、産褥入院中、産後1カ月、3カ月、6か月の各時期において母乳中鉄含有量、1日当たりの乳汁分泌量、BDHQ(brief-type self-administered diet history questionnaire)を用いた褥婦の鉄摂取量を測定した。 分娩時800ml以上の大量出血を起こし、産褥早期のヘモグロビン10.0/dl未満・ヘマトクリット33.0%未満の貧血を合併した褥婦5組を症例群、分娩時大量出血および産褥期貧血のない褥婦15組を対象群として比較した結果、母乳中の鉄含有量と乳汁分泌量にはいずれも有意な差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集を終了し、研究結果の公表に向けてデータの分析および学会発表の準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年6月のICM国際助産学会にエントリーしており、現在結果待ちの状態である。今年度内に学術学会誌への論文投稿を考えているところである。
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Causes of Carryover |
6か月間という縦断的なデータ収集に時間を要し、研究期間を延長したため次年度使用額が発生した。2019年度は、国際学会への発表を控えておりその渡航費や論文投稿費用に充てる予定である。
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