2019 Fiscal Year Research-status Report
認知症の高齢者に対する色彩を用いた転倒予防策の検証
Project/Area Number |
16K12226
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
本多 容子 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (40390166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹谷 真由美 神戸女子大学, 看護学部, 准教授 (50435327)
田丸 朋子 武庫川女子大学, 看護学部, 講師 (00634940)
岩佐 美香 四天王寺大学, 看護学部, 講師 (70583342)
米澤 知恵 藍野大学, 医療保健学部, 講師 (20723042)
河原 史倫 藍野大学, 医療保健学部, 助教 (50803144)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者 / 認知症 / 転倒予防 / 色彩 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症の高齢者のための新たな転倒予防策として、病棟の色彩環境に着目した。本研究は、手すりやベッド柵に鮮やかな着色を施すことで、転倒率や転倒状況が 変化するか否かを調査し、色彩を用いた転倒予防の実用化を探ることを目的としている。研究は、基礎研究として着色したベッド柵や手すりが病棟で使用可能か を探る研究Ⅰと、実際の病院で介入調査を行う研究Ⅱより構成される。 【研究Ⅰ】目的:ベッド柵や手すりに前研究で「見え易い」ことが明らかになった鮮やかな着色(ピンク色/magenta)を施した前後の視線や動作の変化を明らかに する。結果:①着色したベッド柵の方か通常のベッド柵よりも、着座時の頸部屈曲角度が小さい。②着色したベッド柵の方が通常のベッド柵よりも注視回数・時 間が長い。考察:①着色したベッド柵は、通常のベッド柵と比較して着座時の姿勢が屈曲しないため、高齢者の動作に好ましくない影響を与える可能性は低い。 ②着色したベッド柵の方が通常のベッド柵よりも視認性が高く目印として利用できる可能性がある。 【研究Ⅱ】目的:認知症治療病棟の手すりに着色し、着色前後で転倒率や転倒状況に変化するか否かを検討する。実施状況:2病棟で介入期間中であったが、そのうちの1病棟に着色用のカラーテープをはがす行為が見られる認知症高齢者が入院された。そのため万が一の異食事故を防ぐため、介入を中断し、当該患者の退院後、介入を再開予定であった。しかし、退院を待つうちに新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、部外者の一切の立ち入りが禁止となってしまい、再開できていない。残る1病棟は介入期間が終了し、現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の協力病院は、大阪北部地震の震源地に位置し被害が大きかったため、研究Ⅱの介入期間が変更、延長となっていた。期間を延長していた病棟(認知症高齢者治療病棟)に、年度当初に着色用のカラーテープをはがす行為が見られる認知症高齢者が入院された。万が一の異食事故を防ぐため、介入を中断した。当該患者の退院後、介入を再開する予定で、補助事業期間の延長を申請し承認を得ている。 しかし、退院を待つうちに新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、協力病院が部外者の一切の立ち入りが禁止・その後の非常事態宣言と続き、全く介入できていない状況である。 現在、事態の推移を見守りつつ再開を模索しているが、病棟の特性上難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の状況を見守りつつ、介入の再開を模索している。
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Causes of Carryover |
研究協力病院の患者様の安全確保のため、介入を中断したが、その後新型コロナウイルス感染症のため再開できておらず、研究期間を延長することとなったため。
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