2016 Fiscal Year Research-status Report
男性家族介護者の介護負担軽減と虐待防止支援プログラム開発
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16K12257
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
植村 小夜子 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (10342148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 かおり 園田学園女子大学, 人間健康学部, 教授 (20327480)
関戸 啓子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90226647)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 男性家族介護者 / 女性家族介護者 / 介護者特徴 / 介護負担感軽減 |
Outline of Annual Research Achievements |
当年度の計画は,質的分析を主とした介護の特徴とニーズの明確化で,介護負担軽減と虐待防止支援にむけ,男性と女性家族介護者への支援方法の共通点と相違点を質的側面から分析するための調査を実施することであった。これまでに調査をしている男性家族介護者と女性家族介護者の介護の状況等に関して比較するため29名の女性家族介護者に対して,8月から10月の間で訪問調査を実施した。これは当初から予定していた人数である。 11月以降に調査結果の分析を開始している。その結果,まずは女性介護者の特徴を明らかにできた。これまで明らかにしている男性家族介護者の特徴とは大きく異なる特徴がある結果が得られた。年度内に,その一部について次年度に開催される国際学会と国内学会で成果を発表する抄録を作成した。 また、調査を行っている男性家族介護者と本年度に実施した女性家族介護者でとりわけ認知症療養者を介護している20人の家族介護者に焦点を当てた分析を行った。その結果から介護に対する男女の特徴として男性が介護することに張り詰め,頑張りすぎないような支援が必要であること、女性は男性よりもあてにしていた人にがっかりさせられたり,自分が不当な扱いを受けているとの思いを持ちやすかったりすること等から認知症高齢者への適切な関わり方やストレスを低減できるような支援策が必要であること等が考えられた。 本研究の目的は,男性家族介護者に焦点を当てた研究であるが,男性と女性の家族介護者への支援方法の共通点と相違点を質的側面から分析するため行った調査の結果から女性家族ならではの介護の特徴も明らかにできた。これは,今後同居する家族介護者が減少していく中で家族介護者による介護の在り方について検討していくうえで有用であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通り遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,量的分析を主とした介護の特徴とニーズの明確化を目的としている。質的に明らかにした介護負担軽減と虐待防止支援内容を基にその支援の緊急性や優先度,また即時対応の可能性の有無等について,当事者からの意見を幅広く聴取し有効な支援プログラム開発を導くために横断的質問紙調査を実施する予定である。6月頃までに前年度の質的調査を基に質問紙調査を作成・プレ調査する予定である。8月~9月頃には郵送法による質問紙調査(ターゲット集団:介護者家族会・男性家族介護者会・訪問看護ステーション等)を実施する。10月以降に回収した調査結果の集計を行い,介護負担と虐待に対応する支援の緊急性,優先度,即時対応の可能性の有無等に関する内容の分析を行う。 年度内に男性介護者の特徴とニーズを基に介護負担感軽減と虐待支援プログラムの検討を行い策定していきたい。 また,分析結果は,国内外で学会発表・論文投稿を行うことで公表し幅広い意見を求める予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に解析用ソフトを購入予定であったが、使用するのが次年度になるため、購入を次年度にしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度に執行予定である。
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Research Products
(3 results)