2016 Fiscal Year Research-status Report
アルツハイマー型認知症高齢者の「一人歩き」の特徴とその意味の解明
Project/Area Number |
16K12267
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
宮地 普子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (60364303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿保 順子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 名誉教授 (30265095)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 認知症高齢者 / wandering / アルツハイマー病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、認知症高齢者の一人歩き(徘徊)に関する文献検討を実施した。国内文献と海外文献を検索した結果、徘徊を予防するための行動観察や観察のための機器の工夫に関する文献が多かった。介護関連の文献では、一人歩き、単独外出、一人外出などといった「徘徊」の用語を用いない雑誌記事も散見された。また、認知症高齢者を取り巻く社会の動きについて把握した。 その上で、9月~10月には一人歩きする認知症高齢者を介護した経験をもつ者および家族9名に対してインタビューを実施した。4施設に依頼し3施設に協力が得られた。内容はこれまでに介護を経験した一人歩きする認知症高齢者に対する介護者が捉えている目的や思いを聴取した。介護者によって認知症高齢者の一人歩きについての実際の場面と状況の説明に具体性の違いが生じていた。また、複数名の一人歩きの認知症高齢者の介護経験を持つ者もおり、対象者の個人差はあるが貴重で有益なインタビューデータを収集できた。介護者が語る事例認知症高齢者は共通している者もいるため、対象者の語りと認知症高齢者の基本データを踏まえ、今後一人歩きの目的や意味の分析していく。 また、9月~12月までは、アルツハイマー型認知症の高齢者4名に対して参加観察を実施した。1名につき1~2回/月の頻度で、研究者が施設に入り対象者とコミュニケーションを取ることや、施設内での言動について場面を記録した。データ収集期間が短期間であり対象者数の少なさや複数回の観察であるため、現時点での分析は行えない。さらにデータ収集を継続した上で分析する予定である。次年度も引き続いてデータ収集を実施し、新たにインタビュー対象者と参加観察対象者に対するデータ収集の上、全てのデータを分析する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介護者および家族に9名に対してインタビューを実施している。認知症高齢者の参加観察は4名に実施している。期間が短期間であり複数回の実施であるため、データ収集の更なる集積が必要である。 これまで収集したデータを分析するための処理中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに収集したデータを整理し、分析するための処理を行う。また、本年度も引き続きデータ収集を実施する。介護者または家族へインタビューを5~10名予定する。また、認知症高齢者の参加観察を2~3名予定する。全てのデータ収集後、データ分析に入る。
|
Causes of Carryover |
インタビュー調査の回数の減少により交通費の使用が少なかった。また、データ収集に際しての外部の専門家の助言を得る機会がなかったため謝金が発生しなかった。インタビュー対象者への謝礼品は次年度にまとめて計上する。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度もデータ収集を継続するため、データ収集のための交通費が中心となる。また学会等の参加費用と交通費にも使用する予定である。収集したデータの整理について資料整理および内容を分析する際の専門家の意見に対する謝金を使用する予定である。物品は文献複写やデータ収集から分析にかかる紙媒体資料印刷、データ収集時の筆記具、資料整理用棚の購入予定がある。
|