2018 Fiscal Year Research-status Report
アルツハイマー型認知症高齢者の「一人歩き」の特徴とその意味の解明
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16K12267
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
宮地 普子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (60364303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿保 順子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 名誉教授 (30265095) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / wandering / アルツハイマー型認知症 / 生活世界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、対象者の語りと認知症高齢者の基本データを踏まえて一人歩きの目的や意味を分析した。その一部の成果は8月に学会発表し質疑および評価を受けた。具体的には、ある対象者の一人歩きはグループホーム入居前には買い物や仕事の目的があると考えられた。また、一人歩き中には過去の世界に遡る状況があると考えられた。グループホーム入居当初の頻回に外出希望や一人歩きをしていた時期には介護者の支援を受け、満足感が得られていたと推察された。これらの結果から、対象者の外出したい希望を介護者は察知するが、身体的要因により一人歩きが減少したと考えられた。これらの成果をもとに、認知症高齢者の一人歩きの目的について一般住民に対しする講演を行った。 また本年度も引き続き、収集データを整理してデータの分析を行った。その結果のうち、介護者の一人歩きの捉え方は明確ではあったが、場所の見当識の低下や切迫感を伴う一人歩きが見られ、認知症の進行に伴う入居者本人の捉える世界の変容が推察された。これらのことから認知症進行度や生活背景などの関連要因とともに行動の意味を捉えたケアの必要が考えられた。 9月以降はこれまでの研究成果とデータの分析をもって認知症関連学会へ参加し、分析過程のデータについては、ディスカッションを通じて有益な分析の視点を得ることができたため、さらに分析視点を加えてこれまでの収集データを再検討する必要が出てきた。そのため収集データの全てについて再度整理しながら分析を加え、結果を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者とのデータ分析の日程調整がやや困難であったため、また分析時間の確保およびデータ分析の再考が必要であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
収集データの分析に取り掛かっており、全てのデータ収集とその分析、収集データの再整理および分析の再考を重ねる予定である。これまでに得られた成果のうち、介護者行った半構造式インタビューを分析した一部を学会発表する予定である。さらにこれらをまとめた論文を投稿する予定としている。
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Causes of Carryover |
研究成果の発表を予定しており旅費が必要である。また昨年度より研究分担者の所属と居住先が変更となり遠方になったことから、研究協力(データ収集および分析)に必要な旅費・滞在費として使用する予定である。
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Remarks |
北海道医療大学公開講座「認知症の人々の心の世界を知ろう」2018年9月20日石狩郡当別町
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