2017 Fiscal Year Research-status Report
ことばと自己認識の喪失過程で認知症者の認識世界に何が起きているのか?
Project/Area Number |
16K12284
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
横井 輝夫 高知県立大学, 社会福祉学部, 教授 (00412247)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 言葉 / 自己認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、言葉と自己認識の喪失過程で認知症者の認識世界に何が起きているかを明らかにすることである。平成29年度は、様々な水準で言語理解と言語表出が低下しているアルツハイマー病の人の言葉を聞き取り、理解度を推定し、日々の行動や認知症に伴う行動・心理症状と照らし合わせて分析した。その結果、言葉と自己認識の希薄化や喪失と認知症者の認識世界の変容の関係が当初想定したものとは違うことに気づいた。そして日々の行動や認知症に伴う行動・心理症状について、これまでの理解とは異なる意味が明らかになってきた。この意味が周知されれば、アルツハイマー病の人の日々の行動や認知症に伴う行動・心理症状は、不可解な言動ではないことに介護者は納得でき、混乱が少なくなる。現在、この成果を広範な学問分野の知見を用いて、医学英語雑誌に投稿する準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結果が当初想定した文脈と異なり、その解釈に時間を要したが、結果としては順調な進捗状況であると考えている。平成30年度は、その成果をジャーナルへ投稿し、評価を受ける年度である。
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Strategy for Future Research Activity |
必要な情報は、ほぼ得ることができた。現在、精神医学、心理学、言語学、哲学など広範囲な学問分野の知見を用いて、現象を解釈し、論文を作成しているところである。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、結果が当初想定した文脈と異なり、多くのインタビューデータをとる必要性がなくなったことと分析視点と解釈に時間を要したため、学会発表や論文作成として成果を表せなかったためである。 一方で、現象の解釈には、精神医学、心理学、言語学、哲学など広範囲な学問分野の知見が必要となった。現在、本研究から知り得た知見を複数の論文にする準備をしている。本年度は、英語論文作成のための翻訳・校閲や文献の購入を予定している。
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