2017 Fiscal Year Research-status Report
児童虐待防止を担う保健師の困難感の解明に基づいた支援能力向上プログラムの開発
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16K12296
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
橋本 浩子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 准教授 (80403682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 久美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (40771085)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 保健師 / 子ども虐待 / 困難感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、全国の保健師を対象に子ども虐待に関した支援を行ううえで感じている困難の実情および困難感に関連する要因を明らかにするための質問紙を作成し、調査を実施することを目標に進めた。平成28年度に行った文献検討を基に作成した調査項目からなる質問紙の原案について、子ども虐待に携わった経験がある保健師および保健師教育の専門家からスーパーバイズを受けて検討を重ねた。その後、保健師10名を対象にプレテストを実施し修正を加えて、質問紙を完成させた。調査内容は、対象者の属性(性別、年齢、所属機関、保健師経験年数、役職、所属機関の保健師人数、虐待に関する研修の受講経験等)、子ども虐待に関した支援を行ううえで感じる困難の実情に関する50項目、支援に対するニーズについてであり、無記名で回答を求めた。調査は、全国から無作為に抽出した保健所、市町村において子ども虐待に携わっている保健師を対象に質問紙を配布し、郵送にて回収を行った。 対象となった保健師が希望する研修内容について、主な内容としては事例検討を望む意見が多く、困難な事例への対応についての研修希望が多かった。その他には、関係する諸機関との連携方法、親への関わり方および支援、子どもへの支援、虐待が子どもに及ぼす影響、関係する法律や制度、緊急度の判断、保健師としての役割等があり、保健師が希望する研修内容は多岐に及んでいた。今後、さらに調査データの分析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に計画していた質問紙の作成および全国の保健師を対象とした調査を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
保健師の困難感に関する項目の因子分析を行い、困難感の特徴を明らかにするとともに、保健師の属性との関連についても検討する。これらの結果をもとに、子ども虐待に携わる保健師への支援プログラムの開発を行う。調査結果をまとめて、学会で発表する。
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Causes of Carryover |
(理由) 質問紙の送付に要する準備を効率よく行うことができ、そのための人件費が予定より少額となった。 (使用計画) 研究成果を学会で発表するための旅費および参加に必要な経費として使用する予定である。
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