2016 Fiscal Year Research-status Report
住民クレームを活用した公衆衛生看護管理能力向上のための教育プログラム開発
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16K12353
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
鈴木 知代 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (50257557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 純子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (10436959)
深江 久代 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (30300172)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クレーム対応 / 保健師のスキルアップ / ケースメソッド / 新人保健師 / 保健師の管理職 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.新人保健師を対象としたクレームを活用したプログラム開発のために、改善を繰り返してきたプログラム3版を2015年度にA施設の看護職を対象に行った。その評価については第75回日本公衆衛生学会においてポスターを2題発表した。テーマは、「保健師のためのクレーム対応研修プログラム(第3版)評価―ケースメソッドを導入しての研修効果―第1報」と「保健師のためのクレーム対応研修プログラム(第3版)評価―自己効力感の定量的比較―第2報」である。内容は、A施設に勤務する看護職20名(経験年数は1~2年)を対象に研修を実施した。ケースメソッド事例の全体討議の内容を分析した結果、クレームが起こった問題の構造を討論で明らかにし、対応策まで討論が進んでいた。また、3か月後、6か月後において、研究者が作成した評価指標に基づいて調査した結果、参加者の自己効力感は上昇し、援助能力の向上に一定の効果があると思われる。 2.クレーム対応研修の紹介と研修内容の周知のために、第75回日本公衆衛生学会(10月27日)にて、「時代にあった保健師の現任教育を考えよう、クレーム×ケースメソッド」と題して自由集会を実施した。参加者は10名、ミニクレーム研修を行った。特にケースメソッドを活用した内容を中心とした。この時点から、研究者らが作成したテキストを使用した。 3.保健師個人を対象としたクレームを活用したプログラム完成を目指して、2016年9月、行政で勤務する保健師を対象に「クレームを活用した保健師のスキルアップ研修」を実施した。参加者は27名、評価については2017年度に発表予定である。 4.次に管理職を対象とした研修プログラムについては、今年度はA施設の管理職を対象に、管理職を対象としたクレーム対応研修を行っている民間の研修企業の講師を招いて、クレーム対応研修を12月に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新人保健師対象の「クレームを活用した保健師のスキルアップ研修」プログラムは3回改訂し完成している。研修に活用するテキスト、研修効果を判定する評価指標も完成している。次に2017年度の計画である、保健師の管理職用研修プログラムの内容の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
保健師の管理職用の研修プログラムを開発に取り組んでいる。クレームを保健師個人が対応し、個人レベルの援助技術の向上に役立てる場合は、クレーム事例を使ってケースメソドを導入し、討論していくことが研修の評価より有効であることが明らかとなった。これが保健師の管理職でも対応できるのか検討する必要がある。特に、管理職が備える能力の検討を行い、次に、保健師の管理職に必要な能力の検討を行っていくことが必要である。さらに、クレームを活用して組織改善に結びつけていく場合、組織変革に何が必要か、看護職をいったん離れて、組織について検討する視点も必要だと考えている。各方面から要素を抽出し、今後、保健師の管理職に対しての調査を行い、管理職に必要な要素を盛り込んだプログラムを作成する。また、クレームを活用していくため、実際にクレームに対応して、その後組織改善に役立てた事例の収集をおこなっていく計画である。
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Causes of Carryover |
保健師個人の支援技術向上のためにクレームを活用してのクレーム対応研修のテキストについて、2016年度に実施した研修より、改善点を明らかにして、印刷する予定でった。しかし、改善点は明らかになったが、修正して印刷するまでには至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
クレーム対応研修に使用するテキストについて、2016年度実施の研修より明らかとなった改善点を2017年度は改善し、印刷してテキストの完成を目指す予定である。
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Research Products
(2 results)