2018 Fiscal Year Research-status Report
住民クレームを活用した公衆衛生看護管理能力向上のための教育プログラム開発
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16K12353
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
鈴木 知代 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (50257557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 純子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (10436959)
深江 久代 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (30300172)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クレーム対応 / 個人のスキル開発 / 組織対応 / 公衆衛生看護管理 / 研修プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績として、3つの内容を実施した。 1.「住民クレームを活用した公衆衛生看護管理能力を向上させるための教育プログラムの開発」を目指して、研修に活用するテキストの改定に取り組んだ。これまでの研修で使用してきたテキストの内容について、活用した中で分かった問題点や新しく必要となった項目を追加した。第1版では、クレーム対応の実際として保健師個人の対応を記載した個人用の部分に重点が置かれていたが、第2版では管理職の役割が大きく、管理職が活用できるように管理職用のプログラムやケースメソッド事例を追加し、個人技術の向上の強化に加え住民クレームを活かした業務改善・組織改善に取り組むことができる内容に修正した。 2.開発したプログラムを用いての研修を3回実施し、プログラムの改善に取り組んだ。①8月19日、全国保健師教育機関協議会の研修の分科会(大阪市)にて、「ケースメソッドをとおしてクレーム対応を考える」をテーマに保健師教育に携わっている教員を対象に研修を実施した。これまでの私たちの研究の成果を公表し、ケースメソッドを活用したクレーム対応研修を行った。ケースメソッド事例は、発達上に問題が疑われる乳幼児の保健指導事例を活用した。22名参加、研修後のアンケートでは、事例より個人技術の向上だけではなく、組織対応の必要性等が多く語られた。②9月8日、第9回せいれい看護学会のワークショップにて、テーマは「ポディティブ思考のクレーム対応術」を実施。参加者30名、クレーム対応の基本的姿勢を中心に行った。③A市保健師研修会として、14名を対象に研修を実施した。 3.研究発表として、第9回せいれい看護学会にて、研修プログラムの開発のプロセスと研究成果、特に個人のスキル開発と看護管理の視点から発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.研修に使用するテキストの印刷が遅れている。第1版のテキストを作成し研修に使用しているが、研修を行う中で改善したい内容や追加項目が明確となり、研究会にて内容を検討しテキスト第2版の修正を完了させた。早急に印刷をする予定である。 2.ケースメソッド事例を増やし、個人用のプログラムは改善を加え完成している。さらに管理職用のプログラムについても研修の中で導入している。この管理職用のプログラムの改善が遅れているので、改善点を再検討しプログラムの修正を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.テキストの印刷を行い、今後の研修に備える。 2.保健師対象のクレーム対応の研修の場面で、クレームに対応する保健師の援助技術として研修ではロールプレイを導入している。研修参加者より講師によるクレーム対応技術を提示してほしいとの要望があり、現在は、研修メンバーが研修の中で提示している。これを研修DVDとして作成していく。 3.クレーム対応は個人の支援技術のスキルアップだけでは対応としては不十分であることが私たちの研究で明らかになっている。クレームを組織としてどのように対応していくのか、さらに組織改善にクレームをどのように結びつけるのかという視点が必要である。そのために管理職に特化したクレーム対応研修プログラムについては、現在のプログラムをさらに改善していく必要がある。その改善のために2019度は全国調査を行い、管理職(保健師)のニーズを明らかにし、管理職への研修プログラムを完成させる。
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Causes of Carryover |
研修に使用するテキスト(第2版)の印刷が遅れ、研修に活用するDVDの作成ができず、予算が執行できなかった為、残金が生じた。2019年度にテキストの印刷、研修用のDVD作成費用に充当する。
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