2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K12847
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 靖之 京都大学, 防災研究所, 助教 (30447940)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 天変地異 / 地震 / 火山噴火 / 風水害 / 自然災害 / 泥雨 / 明治時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
京都大学附属図書館,京都府内の図書館および資料館において,データベースによる調査と新聞の所蔵状況の整理をすすめ,調査方法の開発および検証をおこなった.また,全国各地での予備調査を実施した. 京都大学附属図書館が提供している新聞データベースを活用し,キーワード等による検索を実施した.各地の所蔵館での調査を効率よくすすめるためにも,抽出可能な情報の整理,キーワードの検討,既知のイベントと照合した.この段階では正誤は判断せず,一覧表を作成した.現時点でのキーワードは以下のとおりである.複数のキーワード組み合わせた検索もおこなった.地震,鳴動,火山,噴火,噴出,降灰,泥雨,砂降,砂,火山灰,灰,地鳴り,土砂崩,大雨,洪水,大風,暴風,風雨,黄砂,霞,霰,天変地異.浅間山,阿蘇山など活動的であったとわかっている火山や,水害の予想される河川等の固有名詞についても検索した. インターネット上の情報を参照し,おおよその所蔵状況をおおよそ把握した上で,図書館等の訪問や電話等によって担当者に問い合わせをおこなった.調査対象の期間は明治15年までに限定した.次年度の調査の準備として,各地の図書館および資料館の新聞の所蔵状況の調査をおこなった.まずは,インターネット上の情報を参照し,その後,それぞれの担当者に問い合わせた.明治初期に発行された新聞の数はそれほど多くなく,また所蔵されている場所も限られているため,全国的に調査した. 1882年(明治15年)の泥雨記事についてまとめ,京都大学防災研究所年報に掲載された(加納,2016).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
京都大学附属図書館,京都府内の図書館(特に京都府立図書館)および資料館において,データベースによる調査と新聞の所蔵状況の整理をすすめることができた.また,この調査を通して,調査方法の開発することができた.また,全国各地での予備調査を予定どおり実施することができた. 新聞記事を閲覧し,全文を確認しながら,上記のキーワードにより,記事を抽出した.抽出した記事は,以下のような項目を記録する用紙に記入した.該当記事の本文は書き写し,また,可能な場合はコピーをとった.記録用紙の項目(A)調査に関すること:日時,場所(所蔵館),調査者,館の担当者・連絡先,形態(原本/マイクロフィルム/縮刷),コピー添付の有無.(B)内容に関すること:新聞名,記事の日時,事件の発生日時,ページ,段,見出し,本文,内容の概要(長文の場合)
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に京都府において実施し,それを踏まえて改良した手法により,全国の図書館および資料館での調査を実施する.想定する地域として,以下を考えている.(1)東京都(国立国会図書館),(2)熊本市(熊本市立図書館,熊本新聞,明治9年5月~明治10年12月および明治12年6月~明治23年12月),(3)岡山市(岡山県立図書館,山陽新聞,明治12年1月~;岡山大学附属図書館,山陽新聞,明治 12~15 年) 加納(2016)で,泥雨記事の時空間分布に着目したように,現象によっては詳細な推移を把握できる可能性がある.これらのためにも,抽出した情報をデータベース化し,時系列や地域による並べかえ,検索などが容易にできるように工夫する. 情報の抽出においては,図書館の利用者などのボランティアの協力を得ることを検討しており,公立図書館等の担当者と具体的な相談をはじめている.ボランティアについては,それぞれの館での掲示やインターネット,自治体広報などにより募集する.
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Causes of Carryover |
端数を来り越すこととした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分として請求した助成金と合わせて適正に使用する.
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