2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K13066
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 紀宏 筑波大学, 体育系, 教授 (50196531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 晃章 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30343726)
中野 貴博 名古屋学院大学, スポーツ健康学部, 准教授 (50422209)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 体力・スポーツ格差 / 社会経済的条件 / 運動習慣 / 社会的排除 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、体力・スポーツ格差の実態を幼少期の子どもの社会経済的要因との関連から明らかにしようとするものである。平成29年度は、主として子ども及び保護者を対象としたアンケート調査の企画・実施・回収を行った。アンケート調査については、昨年度作成した園児保護者用、児童1~3年保護者用、児童4~6年保護者用、4~6年児童用に加えて中学校生徒用と中学校保護者用を追加した。調査内容については、小学校児童用・保護者用の調査内容の他に、運動部活動への意識、入部したい運動部タイプ、小学校時代の運動習慣と習い事に関わる項目を追加した。調査内容の確定に伴い、次年度実施予定の分析項目、分析方法の検討を行った。調査対象地域となったA県T市の教育委員会を研究代表者と研究分担者が直接訪問して、調査の趣旨及び配布・回収方法の説明と協力依頼を行った。その結果、T市の全公立幼稚園、保育園、小学校、中学校への調査実施の承諾を得た。また、筑波大学体育系研究倫理委員会への倫理審査を受け、研究実施の許諾を得た。 調査は、A市教育委員会との協議を経て、平成30年2月中旬以降に実施した。配布方法は、各教育機関へ郵送し、クラス担任を通じて園児・児童・生徒に手渡した。3月末日までにすべての調査対象校から回答済調査票を回収できた。また、体格・体力・運動能力のデータについては、アンケート調査と同様に、データの活用方法・保管方法等の説明をしてデータの提供を依頼し、T市教育長の承諾を得て取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の段階では、8月頃の調査実施を予定していたが、A県T市の教育委員会が別途実施している調査の実施期間との関係から、本研究の調査実施時期を2月に変更することとなった。このため、本年度中に予定していたデータ入力作業は次年度に行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、データ入力・データ分析・考察と研究の総括を行う。データ分析課題は以下の通りである。① 運動・スポーツ習慣を規定する家庭環境・地域環境要因の分析② 家庭・地域の社会経済的要因と体力・運動能力との関係(どのような体力要素で格差が大きいのか、どのような年齢・学校段階で格差が広がるのか、体力格差に性差はみられるのかについても分析する)③ 家庭(親)の教育・スポーツへの意識と体力の関係(家庭の社会経済的要因以外に、両親のスポーツに対する関心、スポーツ支出、教育への期待、文化的資本等の体力への影響を分析する)④ 体力・運動能力の学校間格差の実態(体力・運動能力の格差の大きさに、どの程度の学校間格差があるのかを明らかにする)⑤ 子どもの運動・スポーツ習慣と社会関係との関係(貧困によるスポーツへのアクセス制限が、学校内での子どもの社会関係にどのように不利を生んでいるのかを明らかにする)。 以上の分析を通じて、子どもの体力問題は、教育問題やスポーツ問題にとどまらず、わが国の社会構造に由来する社会問題であることを検証する。
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Causes of Carryover |
本年度中に、アンケート調査の実施・回収及びデータ入力までを予定していたが、調査の実施時期が年度末となったため、データ入力は次年度に行うことにした。
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Research Products
(4 results)