2017 Fiscal Year Annual Research Report
In vivo imaging of hippocampal trisynaptic circuits in mice
Project/Area Number |
16K13109
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐藤 正晃 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 客員研究員 (90518325)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳イメージング / 二光子レーザー顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
海馬の「三シナプス回路」を構成する歯状回(DG)、CA3野およびCA1野の各領野は、それぞれ異なる解剖学的・生理学的特徴をもつにも関わらず、CA1野以外の海馬の深部領野を生きた動物でイメージングするには現在のところ技術的な困難が伴っている。本研究は、マウス海馬のCA1野、CA3野とDGの活動を生きた動物で同時にイメージングする手法を開発し、新たな深部脳イメージング技術を確立することを目指した。前年度の研究で、マイクロプリズムを埋め込む手法は海馬組織に対する侵襲が大きく、神経細胞の活動に伴う蛍光強度変化を観察することが難しかったため、本年度は、イメージングウインドウの埋め込みによる直接的な二光子イメージングと、屈折率勾配(gradient refractive index, GRIN)レンズによる内視鏡イメージングを並行して進めた。蛍光カルシウムセンサータンパク質を海馬の錐体細胞に発現するマウスへのイメージングウインドウの埋め込みでは、海馬表面の剖出位置を少しずらすことで、海馬深部の錐体細胞を観察できた。そこから焦点をさらに下げることで、DGの顆粒細胞層までイメージングしようと試みたが、焦点面が約500-700マイクロメートル以上の深さになるために、鮮明な画像を得ることは難しかった。通常のGRINレンズを用いた内視鏡イメージングでは、GRINレンズ先端から焦点までの作動距離が固定されており、海馬CA1野の薄い層だけを外科的に除去してDGの顆粒細胞層を直接イメージングすることは技術的に難しかった。そこで電気可変焦点レンズ(electrically tunable lens)を用いてGRINレンズの焦点距離を伸ばすことにより、海馬深部をイメージングしようと試みた。本研究で用いたGRINレンズとETLの組み合わせによる可変焦点内視鏡の開発は、原著論文として発表した(Sato et al., Biomed. Opt. Express, 2017)。
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Research Products
(1 results)