2017 Fiscal Year Research-status Report
「演歌型」大衆音楽の国際比較研究:東欧とアジアを中心に
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16K13164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊東 信宏 大阪大学, 文学研究科, 教授 (20221773)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 東欧演歌 / ポップフォーク / チャルガ / ターボフォーク / マネレ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年2月に、国際フォーラム "Pop-folk genres in East Europe and East Asia: Parallel Phenomena on Both Sides of Eurasia"を開催したが、平成29年度は、このときの報告に基づく書籍『東欧演歌の地政学』の編集を行った。現在までのところ、序論「東欧演歌研究序説」を脱稿し、小島亮(北朝鮮歌謡に関する研究)、奥彩子(レーパ・ブレナに関する研究)、濱崎友絵(トルコのアラベスクに関する研究)、新免光比呂(ルーマニアのマネレに関する研究)、阪井葉子(東ドイツのフォーク・リバイバルに関する研究)、高岡智子(東ドイツのロックに関する研究)、斎藤桂(北欧のフォーク・メタルに関する研究)、上畑史(セルビアのターボフォークに関する研究)による論考が仕上がり、クララ・フルヴァティン(スロヴェニアのターボフフォークに関する研究)、ステラ・ジブコヴァ(ブルガリアに関する研究)の英語論文の翻訳がほぼ完成している。出版社との交渉も進めており、刊行の見通しも立っている。 ただし現地の研究者によるレビューを経て完成させたいと考えており、平成30年度の冬にブルガリアでポップフォーク研究の第一世代で国際フォーラムに際して基調報告を行ってもらったヴェンツィスラフ・ディモフ博士(ソフィア大学)、およびロザンカ・ペイチェヴァ博士(民俗学研究所)との面会を行う予定である。 その他、東欧各国のポップフォークについては、近年まとまった研究書が刊行されているので、これらをフォローすることにも多くの時間を費やした。さらにロシアのフォークロアの舞台化についても調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも記したとおり、国際フォーラムに基づく研究書の準備は順調に進んでいるが、最終的なレビューを行うに際して、ブルガリアの研究者とのスケジュール調整に多少手間取り、平成30年度にずれ込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年12月にソフィア大学で日本とブルガリアの若者文化に関するシンポジウムが開催される予定であり、筆者が基調報告を行うことが予定されている。このシンポジウムに際して、本研究課題についてもソフィアの研究者と話し合う予定をしており、これを持って本研究課題の成果発表の準備を完成させる予定である。
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Causes of Carryover |
本研究の成果をまとめた報告書の刊行を前に、今年度中にブルガリアの研究者にレビューを受ける予定だったが、当該研究者の健康上の理由などにより、日程的な調整がつかず、2018年度に持ち越すことになった。したがって、2018年度にそのレビューを受けるための出張を行うことなどに使用する計画を立てている。現時点で12月に予定されているシンポジウムと同時期に出張する予定である。 その他、ウィーンを拠点として資料調査などを行うことも計画している。
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