2016 Fiscal Year Research-status Report
人型3次元モデルによるダンス表現の質感・躍動感を向上するための細部表情付けの検討
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16K13185
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
津崎 実 京都市立芸術大学, 音楽学部, 教授 (60155356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 央 日本大学, 芸術学部, 教授 (20307888)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 3DCG / ダンス動画 / fMRI / 眼球運動 / ミラーニューロン / 視覚運動供応 / 視聴覚融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)実験刺激用のダンス・モーション動画を作成するために,実際の踊り手1名のダンス動画のモーションキャプチャーを実施した。 (2)その表情付けの違いに関するパラメータは多数存在するが,議論の結果,足元のデータ修正の有無に実験パラメータを絞り込むことに焦点を絞ることが有効であるとの結論に辿り着いた。その理由は以下の通りである。 (2-1) 現在モーションキャプチャー用の測定器などには必ず測定誤差が各点に含まれている中で,足先が床に設置しているか否かについての情報まで供給するものが存在せず,これを未処理で使用すると踊り手が空中を漂うような不自然さに繋がる。 (2-2) 上記に関する修正は,動画作成者が全体的な印象に基づいてアドホックに修正していることが多いものの,モーションセンサー以外に足先に視認可能なマーカーを付けることで半自動的に修正可能である。 (2-3) その修正の有効性が実証されれば,視認可能な足先マーカーの情報に従って,3次元空間座標の自動修正を可能とするシステムが構築しやすい。 (3)実際にこの修正を施した動画と未処理のものとの比較実験だけに留まらず,モーションキャプチャーの元となった本物の動画との比較もするべきとなったが,この場合,踊るモデルの服装やイメージについている詳細の違いが比較結果に対してアーチファクトとして介入してくる可能性が否定できない。そのため,すべての画像についてシルエット処理をすることにすることに実験仕様を固めることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
刺激作成のもととなるモーションキャプチャーの実施,さらに実際の具体的な刺激作成の目処が踊りの提供者,アニメーションの製作者の都合等でなかなかたたなかったのと,使用する予定でいたART BAICのMRIシステムがより精度の高いタイプへと代替わりしたことにより,連動して動いていた眼球運動測定装置との平行稼働の検証ができず,その間にMRIシステムの予約状況が満杯状態となってしまったため,実際にヒトが干渉している場合の知覚的効果の差についての客観的検討ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
MRIについては,1回の稼働に対するコストが利用費用だけでも15万円単位であり,そのためにATR-BAICに実験者や実験参加者を参集するためのオーバーヘッドも大きいため,試行錯誤できる回数に制限がある。MRIに入る前に,ビデオ画像に対する評定実験を行うなどすることで効率の良い実験実施を試みる。これを今年度前前期の目標とし,その結果を実験刺激にフィードバックし,後期にはまとまった形でのfMRIを用いた客観的データ取得を目指す。
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Causes of Carryover |
今年度の計上額の半分近くの部分はモーションキャプチャーシステムの使用料ならびに技術提供料であった。しかしながら,機材提供先の厚意により,これらの料金について課金をしないという特別な措置をして貰えた。その一方で刺激作成のためのモーションキャプチャーの日程がダンス提供者のスケジュールの都合で遅れ,さらにそのモーションキャプチャーデータを利用しての動画作成の完成の日時の見通しが立ちにくい状況が生じた。その状態で時間単価の高額なfMRIの測定を見切りでスケジューリングすることはリスクが高く,さらに使用予定をしていたATR-BAICのシステム更新に伴う遅延も重なり,年度内での実施が困難な状況が11月の時点で確定してしまったため,予定した実験を翌年度に実施せざるを得ない状況となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額として1,134千円が計上されるが,これについてはもともと不足気味であったfMRIの測定回数を増やすことに有効活用する計画である。本来は当該年度中に5セッション,次年度に3セッションを予定していた。各セッション150千円として計画していたが,価格改定などにより1セッション180千円必要となってきており,当初から平成29年度に予定していた450千円と合計した1584千円によって結果的には当初の予定通りの8セッションの実施を行う。それ以外に,視聴実験の謝金,出張旅費について当初の予定通り350千円相当を計上する。
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