2017 Fiscal Year Research-status Report
間芸術性の手法:文学・映画・演劇・展覧会の理論と実践
Project/Area Number |
16K13187
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
村田 真一 上智大学, 外国語学部, 教授 (00265555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 陽一 天理大学, 国際文化学部, 教授 (20169056)
野中 進 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (60301090)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 間芸術性 / 文学 / 演劇 / 映画 / 展覧会 / ジャンル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究テーマ「間芸術性の手法:文学・映画・演劇・展覧会の理論と実践」に基づき、研究代表者および研究分担者2名が、海外の複数の研究協力者のサポートを十分得ながら、順調に設定課題を遂行し、研究成果の総括を開始した。具体的には、研究代表者が、ロシアの作家M.クズミーンの戯曲に用いられているパントマイムの手法と台詞の関係性を分析した成果を平成29年9月にチェコとウクライナで開催された国際学会で報告し、戯曲と上演作品における間芸術性の理論と実践の関係性を論じ、大きな反響を得た。その成果は、現地の論文集に掲載される。また、著書『文学とアダプテーション』(春風社)において、ヨーロッパの戯曲や小説の革命前後のロシアでの上演方法を綿密に分析した成果を発表した。一方、研究分担者は、それぞれの課題である映画・美術・ブックデザインと文学における間芸術性の手法とその理論に関して、持続的に研究を行なった。その成果として、学会発表および図書の出版が行なわれた。このほか、研究代表者は、平成30年2月に観世流能楽師による海外での講演・ワークショップを史上初めてウクライナの複数の大学および劇場において実現した。そして、とくに謡と所作の実践と理論、受容や翻訳の問題に関して、研究者・劇場関係者・学生・大学院生と議論を交わし、一般の人にも国と文化を超えた芸術の伝え合いの意義を示すことができた。このほか、現在、最終シンポジウムないしセミナーの実施へ向けて準備しており、3年間の研究成果を活字にまとめる国際的な連携作業が数カ国の研究者の間で順調に進んでいる。なお、研究成果は著書として平成30年度中に刊行される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究代表者・分担者の個別の研究はもとより、予算を前倒しして実施可能となった能楽師のウクライナでの講演・ワークショップや、3年間の研究成果としての著書の執筆・編集作業および最終シンポジウムないしセミナーの準備が当初の予想以上に順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在までの順調な研究推進状況を受けて、最終年度のまとめとしての著書出版およびシンポジウムないしセミナーの開催の準備を進め、研究期間終了以降のより発展的な研究へ向けて新たな課題を設定して取り組む予定である。
|
Causes of Carryover |
研究が予想以上に早く進み、能楽師によるウクライナでの講演・ワークショップを前倒しで実施したため、次年度使用額が生じた。この額は、シンポジウムないしセミナーへの研究者の招へいに使用する予定である。
|
Research Products
(16 results)