2017 Fiscal Year Research-status Report
言語研究者の容認度評定力の認証システムの試作:容認度評定データベースを基礎にして
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16K13223
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
黒田 航 杏林大学, 医学部, 准教授 (30425764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 慶賀 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (70467041)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 容認度評定反応データ / 日本語の容認度評定 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は予備実験を次の要領で実施した. 1. 刺激文: 33種類の原典とそれらの変異版を合わせて合計200種種類の刺激文を作成し,それら無作為に20文のセットに10分割し,それぞれのセットには提示順序を無作為化したA, B, C, D版を用意した.33の原典文の作成では,次の4種類の構文パターンP1, P2, P3, P4 と次の11種類の動詞を使った: P1: _-が _-で _-に _-と V-(し)た,P2: _-が _-で _-に _-を V-(し)た,P3: _-が _-で _-を _-に V-(し)た,P4: _-が _-で _-から _-を V-(し)た; V22. 行く,V26. 知る,V40. 教える,V44. 感じる,V131. 探す,V116. 答える,V326. 黙る,V338. 負ける,V377. 伝わる,V1147. 知り+合う,V1197. 感染+する. 2. 実験: 東京,岐阜,福岡の三ヶ所で,合計251名の被験者から反応を取得した (東京で93名,岐阜で109名,福岡で49名).その逸脱反応の除去により,有効反応数は216名分となった.容認度評定と同時に次の評定者の社会的属性10個を入手した: A1. 年齢 [数値],A2. 性別 [男/女/その他],A3. 生誕地 [県名のコード],A4. 母語が日本語かどうか [はい/いいえ],A5. 一年より長く国外に住んだ事があるか [はい/いいえ],A6. これまでに学んだ異国語の数 [数値],A7. 異国語を学んだ延べ年数 [数値],A8. 日本語を話さない人と頻繁に接触するか [はい/いいえ/わからない],A9. 1ヵ月に読む本の数 [数値],A10. 教育を受けた年数 [数値]. 3. 解析結果の報告: 上のデータの解析結果を言語処理学会第24回年次大会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験に使う刺激文の作成で予想以上に時間がかかったので,予備実験の実施時期が送れた.その結果,実験の実施を依頼できる協力者の数が限られた.
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Strategy for Future Research Activity |
計画では認証システムの試作まで射程に入れていたが,実施2年目の現状の進捗や予算の制約からそれを成果に含める事は無理であると判断した.そのため研究の目標方針を変更し,なるべく規模の大きい,日本語の容認度評定データを構築し,それを無償で公開するという新しい目標を設定し,その実現を目指す事とした.
その際,何人かの研究協力者が大学等で無報酬で実施できる実験の他に,調査会社に依頼して,社会調査として容認度評定を実施する.これにより大学生を被験者にした場合に必然的に生じる評定者の年齢の片寄りを弱める効果を期待している.
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Causes of Carryover |
実験計画では予備実験,本実験で参加者に報酬を与える事を想定していたが,実施してそれが不要である事が分かった.謝礼の発生する作業を予定していたが,それが作業の自動化により,不要になった.そのため,見積もっていた人件費の発生が回避できた.なお,繰り越し金は最終年度に調査会社に依頼する調査の費用に当てる事を決めている.
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Research Products
(2 results)