2018 Fiscal Year Research-status Report
OJADと総合日本語教科書を用いた体系的な音声指導法の確立
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16K13237
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
伊達 宏子 (平野) 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 講師 (30759311)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 音声教育 / 教材開発 / アクセント / イントネーション / 合成音声 / OJAD / LMS |
Outline of Annual Research Achievements |
OJADは、申請者らが2009年から開発し、2012年から現行の形で運用している無償で利用できるEラーニングリソースである。任意のテキストの抑揚を視覚的・聴覚的に呈示する唯一の音声学習インフラとして国内外の学習者から支持を得ている。本研究では、これまで個人使用の多かったOJAD活用法を前進させ、一般的な教育カリキュラムの中で体系的な音声教育の導入がスムーズに行われるよう、OJADをベースとした音声教材を開発する教育研究である。 2016年度は、初級学習者用の音声教材作成を行った。本学で開発され、指導法も出版物を通して確立されている日本語教科書『初級日本語』(凡人社)に準ずる会話練習用PPTと単語リストによる音声教材2種を作成した。会話文、単語にOJADで抽出した韻律情報と合成音声を付与した。 2017年度は、計画当初の目標とした『初級日本語』に加え『中級日本語』の本文、単語、漢字にも韻律情報を付与した音声教材を作成した。これらは学習管理システムにアップロードし、学習者の自律学習に使用した。成果は2017年度の日本語教育方法研究会(JLEM)にて報告し、教材の作成方法を公開・共有した。また、日本語以外にも、専門科目教員とも連携し、数学語彙、化学語彙のフラッシュカードを作成した。 2018年度は、数学語彙教材作成の成果を日本語教育学会春季大会にて発表し、『中級日本語』の音声教材作成の成果をJLEMにて発表した。さらに、プレゼン授業でのOJAD活用を組み込んだ授業実践について日本語/日本語教育研究会にて報告した。教材の充実と教材講習会によりユーザが大幅に増加し、ユーザアンケートおよびインタビューによって開発教材の有用性が確認された。 2019年度4月には論文「OJADを用いた音読練習による日本語韻律自然性の向上に関する実験的検証」が学会誌に掲載され、OJAD使用法と効果を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、教材作成および教材を使用した音声教育を実施した。また計画当初の目的以外に、中級、上級の音声教材の開発、日本語以外の専門科目の教員との連携による数学等の教材開発も行った。これらは学習者に使用され、アンケート及びインタビュー調査によって教材の有効性が確認された。成果について学会発表、論文投稿を行い、教材作成方法、音声指導の効果について公開した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、さらに他機関への教材の公開、教材の共有を実施する。
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Causes of Carryover |
他機関への教材の公開、共有を行うための旅費として次年度使用するために、次年度使用額を生じさせた。
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Research Products
(10 results)