2018 Fiscal Year Annual Research Report
A reflexive study for development of ethnography-based problem solving methods
Project/Area Number |
16K13300
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 周平 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10512246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 泰信 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (40369864)
内藤 直樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (70467421)
門田 岳久 立教大学, 観光学部, 准教授 (90633529)
小西 公大 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30609996)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 開発・援助 / エスノグラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は人類学的な理論化と実践とを再帰的に接合することで、地域的な課題解決への文化人類学的な手法の可能性を明らかにすることにあった。この背景には(1)現代人類学の理論上の課題(2)当事者と協働するという公共人類学的試み(3)経営や災害等でのエスノグラフィ手法の実用化への関心があり、これらをつないで新たな展開を生み出すことが、本研究の狙いであった。 この目的の達成のため、代表者および共同研究者がこれまで関わってきた国内諸地域での当事者と連携した諸活動を取り上げ、メンバー相互乗り入れ型で調査を行ってきた。具体的には、2016年度には佐渡、2017年度には京都、2018年度には徳島において調査を行った。メンバーの都合や、経費の削減などの問題もあり、当初予定通りに実施はできなかったが、それぞれの調査は実りあるものであった。 こうした調査、および研究会での議論の成果は、2017年の日本文化人類学会一般公開シンポジウム、2018年度の日本文化人類学会研究大会における分科会、そして2019年度の論文(投稿中)などのかたちで公表してきた。特に最後の論文においては、本科研における調査の方法を「1.5次エスノグラフィ」として定式化し、そこから「フィールドワークをし、エスノグラフィを書く」という文化人類学のあり方の見直しや、文化人類学の実践を拡張的に捉える視点、エスノグラフィないし論文を最終成果物だとするのではなく、むしろ活動プロセスを進めるうえでの中間的なプロダクトを重視する視点を提示した。 本科研は実施中に新たなメンバーを追加することができ、また本科研を契機にビジネス・エスノグラフィに関わる新たなネットワークや、それに基づくプロジェクトも生まれており、本科研の成果は徐々に広がりつつあると言える。
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Research Products
(18 results)